ホーム > この人の出番 > 第64回 日本精米工業会 会長 古橋政弘氏

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この人の出番

「確かなものを作る」を再認識 日本精米工業会 会長 古橋政弘氏

日本精米工業会は、精米工場の合理化と精米製品の品質向上をはかるため、技術的なサポートを手がける団体で、設立40周年が来年に迫っている。

 

今年5月の就任から半年を超えた古橋政弘会長は、それでも「仕事は目下勉強中」と繰り返す。何故なら「これまでは外から見ているだけだったが、内に入ってみて、本会の仕事がいかに範囲が広く、奥が深いかを実感している」から。

 

精米工は会員制で、25馬力以上の大型精米機を備えた精米工場を構える米穀販売業者、生産者団体、精米機メーカー、その関連企業、商社が名を連ねる。その数およそ300。うち120会員の142工場が、JRQS(精米工場品質管理システム)の認定を受けている。要は精米工場版の品管マニュアルなのだが、その認定は業界内にあって安全・安心の証と言える。

 

「今年ほどJRQSを自負できた年はない」と古橋会長。何を指しているかと言うと、もちろん事故米穀不正転売事件だ。「偽装、不当表示と食品業界を揺るがす事態が続き、事故米事件ではついに米穀業界が不信をかってしまった。『確かなものを作る』ことがいかに大事か、再認識させられた」と振り返る。

 

したがってJRQSの普及は毎年あがる課題だが、今後はよりクローズアップされてくる。タイミングを合わせたわけではないが、来年度から改訂版JRQSが始動する。現行「JRQS:2000」から「JRQS:2008」へのバージョンアップだ。

 

特徴的なのは、品質管理システムとしての「要求項目」のなかに「コンプライアンス」を明確に位置づけた点。また「衛生的環境の保持」、「有害生物の除去」、「苦情対応」などを「安全安心対応の追及」として一括りにするなど、昨今の環境変化を如実に反映した改訂となっている。

 

「現在の認定工場に対しては来年度から一年かけて個別改訂(改訂版の浸透)をはかる運び」とする古橋会長、次に控える課題は「業界内だけでなく広く消費者にJRQSの確かさを認知してもらうこと」だ。

 

すでに精米工には、JRQS認定工場で製造された精米商品に添付する品質保証マーク「Fマーク」がある。FはFinished(完品)の意で、80会員92工場で使用されている。この「Fマークの普及と同時に、認知度向上が精米工が担うべき役割」と言い切る。

 

来年は事が多い年でもある。「改正省エネ法の施行によって規制対象となる会員工場の数が激増するし、農産物検査法やJAS法など改正法令の施行も来年のこと。気を抜けない」と。

 

内向きにも「当会には非常に有用な過去の蓄積データがあるので、会員に大いに活用していただくべく、情報提供には積極的に取り組んでいきたい」とも。ささやかながらこの点では今年10月から、会員専用メールマガジンの発行を開始した。12月初旬で登録会員数は242。「まず全会員への浸透をめざすが、同時に内容の充実にも努めていきたい」と意欲的だ。(12/11)

 

古橋政弘(ふるはし・まさひろ)
1941年、神奈川県横浜市生まれ。岐阜大農卒。1965年全糧連(現・全米販)入会。総務部長、業務部長などを経て、95年から常務。この間、子会社である日本コメ市場の専務も。07年退職後、1年間のブランクを経て、今年5月から現職。国内外問わず旅行好きで、昨年の「モラトリアム期間中は、とにかくあちこち行った。行くたびに何か必ず失敗する」と笑う。