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この人の出番

「ギョーザ」を国民食へ ヨコミゾ 営業部・製造部統括本部長 島崎幸司氏

冷凍餃子、焼売の製造・販売事業を展開するヨコミゾは、国産原材料へのこだわりや、化学調味料など余計な添加物を使わない商品作りをコンセプトに事業を展開している。安全・安心への取り組みはこれだけにとどまらず、このほど、農畜産物の生産や加工、販売などを手掛けるナチュラルアートと提携し、同社のインフラを活用して畜肉などの仕入れを開始した。その一環として、自社農場の運営もスタートし、今年からにんにくの生産にも取り組む。

 

同社は1952年に食用油脂の販売を開始し、その後、スーパー内に肉屋をテナント出店した。そこで始めたのが餃子・焼売の製造・販売。売上げが好調だったことから工場を建設し、本格生産をスタートさせた。主な販売ルートは生協の共同購入で、主力商品「香港ギョーザ」を販売している。

 

香港のコックに指導を仰いだという同商品は、保存料、着色料、化学調味料不使用の、素材を生かした商品設計が売りだ。今秋には皮の食感など、一部内容を改良してリニューアル発売する予定だ。

 

生協以外の販売ルートでは、本社工場での直売にも力を入れている。売上げは天洋食品事件後も好調で、島崎幸司統括本部長は「製造した場所で売る」ことが消費者の安心感を高めたとみている。

 

製造機能は2002年、さいたま市西区三条町に新築した本社工場(1,700m²)に集約した。HACCPに対応した同工場では品質管理には徹底してこだわる。現在はISO22000の取得準備も進めており、「3年くらいかけてハード、ソフトの両面で手をつけていかねばならない。ISOは継続することが重要なので、人からしっかり育て、学んでいく必要がある」と時間をかけて認証取得を進める方針だ。

 

原材料面では国産の豚肉や野菜にこだわってきたが、このほど全国に直営および提携農場や畜産品の加工工場を持つナチュラルアートと提携した。「ナチュラルアートの既存のインフラを使用し、当社が加工して販売していく流れを作ろうとしている」と話す。

 

具体的にはナチュラルアートが今春から生産を開始するブロイラーを使った餃子や焼売を開発し、「おおみやギョーザ」(仮称)として売り出す考え。また、その一環として、自社農業によるにんにくの生産にも乗り出した。すでに昨年10月から栽培を行っており、「今年2月には収穫できる」予定だという。当面は全体使用量の2割から3分の1程度を自社農場で生産したにんにくでまかなう方針だ。

 

ナチュラルアートとの提携など新たな一歩を踏み出すが、「餃子は大衆食。あまり高いものを作っても売れない。餃子を国民食という位置付けに引き上げたいので、高級路線は考えていない」とあくまで日常食としての位置付けにこだわる。また、『おおみやギョーザ』として打ち出しを図る背景には、「ここで作っているというのを売りにしたい」という想いもある。

 

今後は「このギョーザを食べさせる店」を展開する外食事業の構想もあり、将来的には「ギョーザをテーマに、そこに来たらほっとするようなテーマパークを作りたい」。(2/5)

 

島崎幸司(しまざき・こうじ)
1969年生まれ、埼玉県出身。大幸食品、ダイワフーズを経て、03年に株式会社ヨコミゾに入社。04年製造部業務課課長、05年製造部工場長に就任。08年3月から現職。