ホーム > この人の出番 > 第7回 食肉輸出入協会 米野元恭氏

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この人の出番

問題山積みも物流の拡大に全力 食肉輸出入協会 会長 米野元恭氏

畜産部に移って1年になったばかりで、日本食肉輸出入協会の新会長に就任した米野元恭氏(丸紅畜産部長)。同協会の総会で「商社は強い売り手と買い手に挟まれ厳しい環境にある。業界の経験は浅いが、顧問、副会長の力を借りて任務を全うしていきたい」と就任のあいさつ。それから3ヵ月が過ぎたが、食肉輸入商社の抱える課題と対応の方向などについて語ってもらった。

 

食肉輸出入協会の役割については、「スムーズな食肉の輸出入を基本としているので、今後も、安全・安心な食肉の輸出入を推進し、物量の拡大を図っていく」と語る。食肉業界はこの数年、逆風が吹き続けているが、今年の牛肉の見通しについては、「米国産牛肉については、政府間の交渉により20ヵ月例の条件が解消されない限り、日本の輸入量は大きく伸びない。その月齢条件の緩和は、物理的に年内は難しいのでは」と予想する。

 

「米国側は、すべての制限撤廃を主張しており、日本は消費者の理解を得るという観点から30ヵ月齢とする見方もあるが、その落としどころがどうなるのか。米国側がそれで納得するかどうか」と、日米協議の今後の予測の難しさを指摘する。そして「この問題が解決しない限り、輸入量もプラスαの程度にとどまる」と語る。米国産牛肉の輸入拡大により、食肉全体の相場が落ち着き、消費の回復を期待していた業界にとっては、まだしばらくは「我慢」というところか。

 

豚肉については、「飼料価格の高騰などによりコストは間違いなく上昇しつつある」とし、さらに「米国はロシア、中国への輸出を拡大し、収益に貢献している」と、ロシアと中国の動きに警戒を強める。その中国については、輸出マーケットとして、コンスタントなバイヤーになるかどうかとの問題もあるが、「中国の食文化そのものが変わってきており、長期的には中国の輸入量は底上げされていくのでは」と予想する。

 

チルド豚肉については、「国内生産が増えない限り、輸入物に頼らざるを得ない」としながらも、「輸入チルドを差別化して販売するところは少なく、価格訴求の特売商材となっている」と、末端の価格訴求の問題を指摘する。差額関税問題については、「豚肉だけが際立った関税制度になっているのは理解しがたい。可及的速やかに分かりやすい方式に改めてもらいたい」と、早期の見直しを主張する。

 

鶏肉については、現在輸入先は実質、ブラジル一国となり、現地価格も上昇しているが、「鳥インフルエンザのリスクを抱えながらの輸入となっている」と、商社のリスクが拡大している現状を語る。

 

牛肉、豚肉、鶏肉とも大きな問題を抱え、波乱含みの情勢下で商社としてのハンドリングは一層難しくなっているが、「ボリュームを増やすことが一番。そのために出来ることはやっていく」と、輸出入協会の新会長として、また丸紅の畜産部長として意欲は満々。(8/30)

 

米野元恭(よねのもとやす)

1960年生まれ。1984年丸紅入社。油脂油糧部門を長期に渡り務め、99年から02年まで米国勤務。06年1月に丸紅畜産部長(現任)。07年5月食肉輸出入協会会長に就任。