カナダのオンタリオ州、ケベック州、マニトバ州の大豆生産者を中心に05年に発足したカナダ大豆協会の会長を務める。今回、来日しカナダ食品大豆セミナーを開催したほか、各地の顧客を訪問し、積極的にカナダ産食品大豆のPRを行った。
日本は年間約100万tの食品大豆を使用するが、カナダ産食品大豆は08年に33万t弱が輸入され、全体の3割を占める。昨年来の中国産食品の問題で消費者の中国産大豆に対する目も厳しくなり、この代替として期待されるのがカナダ産食品大豆だ。中国産の食品大豆は年間10数万t使用されているが、この大部分が他の国の食品大豆に置き換えざるを得ない。しかし、米国産は全体の作付面積は大きいものの、GM(遺伝子組み換え)大豆の作付比率が高くNON―GM(非遺伝子組み換え)大豆の作付を大きく拡大することは難しいのが現状だ。そこで注目されているのがカナダ産食品大豆だ。
ゴーランド会長によると、大豆の主要生産州3州の08年産の作付面積は122万3,000haで、うちオンタリオ州84万7,800ha、ケベック州24万8,900ha、マニトバ州12万3,000haとなっている。生産量に占めるNON―GM大豆の割合は、オンタリオ州で35%、ケベック州は51%、マニトバ州は6%で、NON―GM大豆の供給余力は大きい。
08年産カナダ食品大豆については、「全体的に良い年で、生産量も多く、品質も良い。日本市場でもっとカナダ産の食品大豆を欲しいとの要望も聞いているが、十分応えられる」と、食品大豆の追加要望に十分応えられるとの考えを示した。
その上で、「品質」「トレーサビリティ」「安定供給」「緊密なコミュニケーション」を約束、さらに「ユーザーのニーズに応えるために、バリューチェーンの全てを通じ努力する」。
09年産については、「円高の一方で、海上運賃など輸送コストも減少し、日本の業者にとってはプラスの時期」と現在のタイミングを強調するとともに、「食品用大豆の生産には(契約栽培の)早期の契約が欠かせない。GM品種の方が高単収で、品種によっては17%も高いものがある。食品用大豆の生産には手間がかかり、高プレミアム(割増料金)は欠かせない」と食品用大豆の現状を訴えた。
また今回の訪日では、江東区の豆腐店(東京都豆腐商工組合・柳本恵三理事長の店舗「TOFU SHOP豊田屋」)も訪問した。これまで豆腐メーカーの製造ラインを見学したことはあったが、個人の豆腐店を訪問したのは初めて。昨年9月に全国豆腐油揚商工組合連合会、日本豆腐協会、全国味噌工業協同組合連合会をメンバーとするカナダ食品大豆調査団が現地を訪問し、意見交換を行ったことが縁となって実現した。
今回、豆腐作りの原点に触れたが、カナダ産大豆で豆腐が作られ、買われていくのを目の当たりにし、「食品大豆が大事に扱われていることを実感した。カナダの大豆生産者は、大豆が食品として使われることを意識して生産している。今後も高品質で安全な大豆を安定して皆さんに供給したい」と、改めて安定供給を約束した。(3/5)
ジム・ゴーランド
カナダ・オンタリオ州で31年間農業を続ける。作付面積は900haに達し、うち350haはNON―GM大豆。その他とうもろこし、小麦、牧草を栽培する。05年にカナダ大豆協会を設立、会長に就任した。


