ヒガシマル醤油にとって東日本、特に巨大市場である首都圏の動向が飛躍のカギを握る。「淡口醤油の当社は、関西など西日本が基盤だが、高齢化など社会情勢の変化もあって、飽和市場と言わざるを得ない。そこで、淡口醤油の普及が望める東日本市場、特に首都圏に寄せる期待が大きい」と語る。それだけに首都圏ブロック長としての責任は大きい。
「東京支店のテリトリーである名古屋以北と、西日本の一般的な市場規模の比率は7対3くらいだと思うが、当社の売上比率は全く逆なので、何とか東日本の売上を増やし、五分五分にしたい」というのが新任の抱負だ。
「首都圏の量販店の売り場での当社の製品は、おかげさまで『うどんスープ』はほとんどのお店に入っているが、次が『揚げずにからあげ』か淡口醤油くらい。関西の売り場に比べて並んでいる品数は少ない。やるべきことはいくらでもある」と闘志満々。
商品別の方向性についても、すでに考えがまとまっている。まず淡口醤油。「業務用については、歴史的な経過もあり、首都圏でも多くの料飲店で指名していただいている。家庭用をどれだけ普及させるかだが、価格競争を避ける意味からも『特選丸大豆うすくちしょうゆ』や『特選有機うすくちしょうゆ』などの高付加価値醤油を薦めていきたい。野菜の煮物やうどんつゆに淡口醤油を使う人もいるので、こうした人たちに高付加価値醤油をアピールしていく。また容量については、ここ数年、減少傾向の1リットルに代わって500ミリリットルが増加傾向にあることから、首都圏では特に500ミリリットルを中心に考えていく」と述べる。
ただ東日本では濃口醤油が主流で、家庭で淡口醤油を使う人は決して多くない。そのためにはどうしていくか。
「課題は淡口醤油をあまり知らない、使わない人へのアピールだ。内食化の流れにあっても、煮物や卵焼き、うどんつゆをアピールしてもそんなに期待できないだろう。そこでつけかけ使用を提案したい。高塩分の淡口を敬遠される方もいるので、新商品として『低塩丸大豆うすくちしょうゆ』を発売した。鯛やヒラメなど白身魚のお刺身には魚のうま味を落とすことなくおいしく頂けることをアピールしたい」。
メニュー提案は「むしろ加工調味料(濃縮つゆ類)が主体となる」という考えを持っている。「淡口醤油をベースにした『京風割烹万能だしつゆ』などのつゆ類を料理に使ってもらう方が時代に合っている。煮物や魚の煮つけ以外にも炊き込みごはん、揚げびたし、そうめんなどいろいろなメニューを用意しており、ホームページや店頭で紹介していく」と語る。
絶好調の粉末調味料は『うどんスープ』に続く『揚げずに』シリーズが配荷を伸ばしており、「まずはしっかり売っていく」。その後、他のスープ類や『ちょっとシリーズ』も続きたいところだ。(5/14)
今栄要介(いまえ・ようすけ)
1950年兵庫県竜野市生まれ。東洋大学経済学部卒業後、ヒガシマル醤油入社。入社後は神戸を皮切りに西日本全域を担当。05年から広島所長兼中四国ブロック長。09年4月1日から現職へ。趣味は旅行。「JR全線制覇が夢。定年になったら出かけたい」。ただし奥さんは「新幹線だけならつきあう」ので一人旅になりそう。推理小説は松本清張。20代にほとんど読んだが「50代で読むと受け取り方が違う」から奥が深い。


