ホーム > この人の出番 > 第81回 セカイタカ酒販 専務取締役支配人 櫻井正道介氏

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この人の出番

お酒で埼玉の地場産業を活性化 セカイタカ酒販 専務取締役支配人 櫻井正道介氏

酒類の消費数量は平成8年の970万キロリットルをピークに平成19年は890万キロリットルと1割も減っている。しかし埼玉県は別だ。人口700万人を抱える一大ベッドタウンであり、その消費金額は栃木県660億円、群馬県660億円と比しても、2,370億円と関東圏で群を抜いている。

酒類卸売業のセカイタカ酒販は埼玉県内に4支店を持ち、県内をくまなくカバーする。創立は昭和28年。浦和地区の有力な小売店10店が出資して誕生した酒類卸がその起源だ。

昭和45年に世界鷹小山本家グループ入りし、以後、地域密着型卸として独自の地位を確立している。昨年の売上高は約120億円、前年比1ケタ台のプラス。

同社の方針は「得意先が繁盛するための地域密着型問屋機能の充実」だが、そのひとつの表れが酒類を通じた「地産地消」の推進だ。埼玉県は現在、県内地場産業の活性化のために農商工連携事業を支援しているが、同社の川越芋を使用したオリジナル焼酎「紅赤芋焼酎 紅赤金時」は、昨年同事業の第2号として認可された。県内の大手業務用酒販店7社で販売したが、すぐに完売した。

この4月下旬には深谷の名産「深谷ねぎ」を使用したオリジナルねぎ焼酎「ねぎらい」を深谷市内の酒販店10社で発売、即時売り切れた。ねぎの甘みと香りがユニークな製品だ

「当社は農家の生産者と酒販店を結んで農商工連携をプロデュースしていく。川越や深谷というエリアにとどまらず、県内、ゆくゆくは全国区になるためのブランドマーケティングを行いたい」と同社の櫻井正道専務。

一方でこの取り組みは得意先である業務用酒販店の活性化のためでもある。

「県内の業務用酒販店は、東京からの攻勢に見舞われ不振にあえいでいる。地産地消はそういう酒販店の生き残る術でもある。個々の戦いでは限界があり、独自の機能を身に付ける必要がある」と語る。

「埼玉県は小麦の大産地でもあり、例えば八潮には名産の小松菜もある。焼酎の野菜シリーズも出来るのではないか」と夢は膨らむ。

櫻井専務が重要視するもうひとつの機能が「情報提供機能の発揮」だ。「メーカーと酒販店をとりもつ中間流通として、酒類市場のマーケティング動向を常に伝える。特に当社は大消費圏である東京に近いという地の利もある。最新のマーケット情報を提供し、商売にお役立ていただいている」。

そのための媒体が月1回発行の「セカイタカ便り」だ。櫻井専務が自ら責任編集し、業界のトピックスから販促カレンダー、新製品情報などを網羅した冊子を配布している。「私たちが売りたいものばかり紹介するのではだめ。情報を取捨選択するのでなく、埼玉のメーカー・酒販店が繁栄できるようにするのが当社の使命」と進むべき方向は明確だ。(5/21)

櫻井正道(さくらい・まさみち)
1957年群馬県渋川市生れ。79年東京農業大学醸造学科卒、同年小山本家酒造入社。営業畑からマーケティング部門長を経て91年北鹿取締役支配人。98年小山本家酒造常務取締役。2006年セカイタカ酒販専務取締役。趣味は渓流釣り、ゴルフ。農大には「微生物を利用した地球環境保全を研究」するつもりで入学したが「お酒」の道に。