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この人の出番

営業強化と教育投資に注力 京果食品 代表取締役社長 賀川和彦氏

最後の相場師と言われた野原拓前社長が一線を退き、後任社長として就任した。請われて6年前に商社から転身。この間、市場環境もかつての売り手市場から、買い手市場に大きく様変わりしている。

「野原前社長(現副会長)ようになりきれないのは当たり前。みんなの力を結集し、社内で議論を重ねながら対外的に恥ずかしくない企業していきたい」と第一声。

親会社は京都青果合同、資金面では全く困ることのない企業体である。ただ前社長が40年間に亘り、世界を駆け回り買い付けし開拓してきた販路だけで、今後長期的な経営ができるかどうかは難しい。

「卸・流通業として、また産業給食の裏方として、その先の売られ方まで見越した商品作りを行う。ベトナムや中国の生産基地を活用、順次勉強のために派遣し、顧客への提案活動に繋げていきたい」と、営業強化と教育投資は惜しまず最大限力を入れる構えだ。

カリスマの号令一過で動いてきたこれまでから、役員も明確に役割分担を決めた。強力なリーダーの下で「ある意味では甘えてきた面もあり、片や野武士集団として、自己確立し、右を向けていっても、容易に右を向くような連中でないことも確かだが、従来の繰り返しに陥る懸念もある」という。「とくに若い人にはかつての「見て学べ」から課題を与え、実践で下から押し上げる教育に切り替える。

課題は新規顧客の開拓と既存のボリュームアップ。「野菜」業界はこれまで副業的にやっていた大手プレーヤーが、農薬や安全・安心の問題などで撤退している。「難しい問題があるからと、われわれは逃げ隠れできず、あくまでこの中で生き延びねばならぬ。撤退され困っているユーザーに商品供給することも重要な課題だ」。

とくに成長著しい病院給食関連には力を入れる考えで、従来は意外と手薄だった大手卸などとの付き合いも深めていく計画だ。「今までの延長に将来はない」「昔のままではいけない」を繰り返す。「われわれの一番の機能は在庫を持っていること。安定供給ができることである。それを理解してくれる企業との付き合いはどんどん増やしていきたい」。

供給面では、チャイナフリーの影響から貢献著しいベトナム工場だが、10年後を睨んでインドやスリランカをターゲットに準備を進める。25%を占める国産品も力を入れる考えだ。「自給率40%を切るこの国で、食材を供給するという大きな社会的な使命がある」。「好奇心・向上心・貢献―の3Kを発揮して、商売を増やすことが社会貢献につながる」と力が入る。(7/9)

賀川和彦(かがわ・かずひこ)
1951年生まれ、東京都出身。74年慶應義塾大学商学部卒。同年日綿実業(旧ニチメン)に入社、99年ニチメン九州入社。03年京果食品入社、東京支店店長(部長)に就任。05年同社取締役、06年同社常務取締役、07年同社専務取締役、09年5月同社社長就任。