ホーム > この人の出番 > 第92回 食品産業センター 環境委員会委員長 渡辺孝正氏(明治乳業生活環境室長)

  • 新聞
  • 食品産業新聞
  • 日報
  • 大豆油糧日報
  • 米麦日報
  • 畜産日報
  • 酒類飲料日報
  • 冷食日報
  • 月刊誌
  • 米と流通
  • 麺業界
  • メニューアイディア
  • 出版物
  • その他出版物

この人の出番

食品業界から環境保全の提言 食品産業センター 環境委員会委員長 渡辺孝正氏(明治乳業生活環境室長)

食品産業センターは6月に会員各社からなる初の委員会組織「環境委員会」を立ち上げた。この問題は内容が多岐に渡ること、地方の中小メーカーにも的確な情報を提供し、取り組んでもらうことが必要なことから、旗振り役として食品業界全体からなる環境委員会(13社3団体)を設立した。

その初代委員長に就任したのが渡辺氏だ。委員会の目的は食品産業に関わる環境問題について業界や消費者への情報提供を強化するとともに、各業種・企業からの意見を吸収し国などへ意見表明・提案を行っていくことだ。

食品業界にとって環境問題というと、大きく分けて「地球温暖化防止」「容器包装リサイクル」「食品リサイクル」の3つになる。具体的な検討課題については分科会を設け、年3~4回の委員会でまとめていく。「実際に活動を始めたのは容リ法の分科会」とすでにスタートは切った。各分科会での検討が土台になるわけだが、委員長としてそれぞれの課題についての基本的な考え方を語ってもらった。

まず容リ法。「前回の見直し時には食品業界としての意向表明が遅れた。10年度にも開始される見直し議論に向けて食品業界として具体的な提言ができるようにしたい」と述べる。

その上で「私としては業界云々ではなく、容リ法が社会的、経済的に目指している方向へ向けて運用されるよう3主体(消費者、市町村、企業)の意見が集約されるのがいいと思っている。例えば『その他プラ』。再処理業者も含めて思っていることは一緒でも、しっかりかみ合っていない。食品容器は安全性や品質保持などの必要条件がありそれを満たした上で、どう環境負荷を下げていくか。安全性を無視した容器はむしろ環境負荷が高まる。実際、食品容器はすでにかなりリデュースされている姿だ。それを理解しかつ適正に評価してから、サーマル(熱)処理について述べてもらいたい」と語る。

食品リサイクルについては「当面、全体のロスをどう減らすか。一つの業界としてできることではないので、まさに社会としてどう取り組むかが必要。それぞれの利害関係者が情報交換などから始め、ベターな方向を探っていきたい」。地球温暖化防止については「すでに自主行動計画を多くの業種・団体で策定しておりこれを徹底することと、次の目標に向けての行動計画の策定を見ていく。そして我々が市民に情報提供することによって、市民のCO2(二酸化炭素)削減行動に資する役割を果たしたい」。

ちなみに自身が生活環境室長を務める明治乳業は「自然の恵みで成り立っている会社であり、しっかり環境保全をしていく。ISO14001を手段としてやっていくが、去年までにほとんどの取得が終わった。今年からは明乳グループ全体の統合によってさらにレベルを上げていく」と語る。

100周年となる2017年には07年比30%のCO2削減(売上高原単位)が目標。「設備更新がほぼ終了したのでかなり厳しいが知恵と工夫で実現したい」とチャレンジする姿勢を語る。(8/20)

渡辺孝正(わたなべたかまさ)
1950年福島県生まれ。74年明治乳業入社、仙台を皮切りに営業マンとして全国各地に赴任。06年から生活環境室長。趣味は「あまりない。しいて言えば神社仏閣めぐり」。ただし、四国八十八カ所、西国三十三カ所、坂東三十三カ所、秩父三十四カ所などの巡礼を完全走破した本格派。