神奈川、静岡、山梨県内6つの生活協同組合が、県域を越えた連帯として1990年発足したユーコープ事業連合。「『人‐社会‐自然』の調和ある平和な社会の実現に貢献する」という基本理念のもと、同連合初の常勤理事長として先頭に立って引っ張っているのが丸山基雄氏。それまでの理事長は、会員生協の理事長が非常勤で兼務していた。丸山理事長に、現状と展望を聞いた。
「やるべきことはたくさんある。たとえば店舗展開の見直しと、それに伴う利益率や作業効率向上のための扱い品目の絞り込み、若い消費者層の取り込みなど。扱う品目数は売場面積300坪店舗で1万~1万2千あるが、それを2割削減したい。ミニ店舗の運営をどうするかも今後の課題だ。いろいろと実験してみたいことがある。冷凍食品は置くが、肉・魚の生はやらないなどで商品数を絞り込み、しかし扱う商品に関しては低価格で提供するといったように」。
店舗展開でも大ナタを振るう。新規出店とともに既存店の閉鎖も決断しなければならない。各店舗の状況をしっかりと見極めることが大切だと語る。
「競争がますます激化する中、まず店舗での成功モデルを作っていきたい。ひとつの成功店舗が次の成功を引き寄せる。私が考える基本コンセプトは、小商圏で組合員の来店頻度を高めるということ。つまり生鮮強化・小商圏型店舗で、毎日でも来店してもらえるような店舗ををいかにして作り上げるかだ」。
若い消費者に対しては、宅配にスポットをあてて対応する。
「生協は会員組織なので、手軽さ、気軽さに慣れている若い人には利用しづらい、という声が聞かれる。生協の性格上やむを得ないが、そうした声があるからにはその解決策を探ることが必要。そこで宅配が注目を集めてきた。登録者数は50万人となり、供給高は店舗に追いついた。今後逆転することは間違いない」。
好調な宅配事業(おうちCO-OP)だが、ネットスーパーとの競合も激化している。
「ネットスーパーに比較すると、リードタイム(発注から納品までに要する時間)で遅れをとっている。その短縮が課題だ。商品供給面でも店舗との兼ね合いを考慮しながら決定する必要がある」と、常に問題意識をもってのぞむ。利用者の利便性を考え、eふれんず(インターネット宅配・コミュニティサイト)のリニューアル、ウェブカタログの導入でさらに利用しやすくした。
新鮮な野菜を届けるための「シャキット便」を導入したことも利用者にはありがたい。宅配時間の短縮、徹底した温度管理により、「前日集荷したきゅうりやきのこをお届けできる」という。生協では唯一のシステムだそうだ
このほか、バイオディーゼル燃料利用トラックの増車、フェアトレードバナナの供給、ユニセフのアフリカ教育支援プログラムとWFP国連世界食糧計画の学校給食プログラムへ寄付する「みるくぼきん」、自給率向上を目指した飼料用米の取り組みなどにもチャレンジする。次々と新機軸を打ち出す丸山理事長の次の一手は何だろうか。(9/3)
丸山基雄(まるやま・もとお)
1980年かながわ生協(現コープかながわ)入職、98年コープシステムズ取締役社長、2002年ユーコープ事業連合会理事・事業支援本部長、04年同連合会専務理事、08年同連合会理事長就任。


