ホーム > この人の出番 > 第95回 いちごホールディングス 代表取締役社長 宮下雅光氏

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この人の出番

独自のピザ作りでオリコン1位 いちごホールディングス 代表取締役社長 宮下雅光氏

いちごホールディングスの子会社、ストロベリーコーンズが展開するピザ宅配「ナポリの窯」が今年2月、オリコンの顧客満足度調査でトップに輝いた。品質やコストパフォーマンス、提供スピード、店員の接客態度などが評価された、堂々たる総合1位だ。宮下社長は「常に他社の真似、米国の真似をしなかった結果」と自信をみせる。

「ストロベリーコーンズ」ブランドで宅配ピザ事業を始めたのが1986年。本場・米国とは違う、「日本人が好む日本人の味でオリジナルのピザを作りたい」という想いから、独自のピザ作りに取り組んできた。そのなかで、96年に形状が四角で従来よりも薄い生地の「クリスピーピッツァ」、翌97年には1枚の生地で4種類の味が楽しめる「フォーシーズンズ」を世に送り込む。また、市場の成熟期には時間が経っても「のびないパスタ」を提案するなど、「商品開発のリーダーシップを我々がとってきたという自負がある」。

ITを活用した独自の情報システムも構築した。売上高や配達時間、配達遅延件数、チラシのポスティング数とそのレスポンスなどを数値化した「ナレッジシェアシステム」。商圏内の年齢別人口割合、消費者支出などの基本データに加え、地域毎の販促結果などを地図上で確認できる「GIS地図情報システム」。この2つのシステムを活用したキメ細かいエリアマーケティングによって、少ない投資で最大限の効果を得ることができる。宮下社長は、「地域で愛されればマスマーケティングはいらない」と語る。

また店舗には「ネットワークカメラシステム」を導入した。店内に設置したカメラを通じて、別の場所にあるオフィスなどからQSCを管理し、リアルタイムで助言を行うことができる。

自ら「コンピューター屋」と称する宮下社長。日本IBMでの経験をピザ事業にも生かす。

一方、「自社でストロベリーコーンズを否定してみよう」と05年に開発したのが「ナポリの窯」である。「小腹を満たす」「生地は手延ばし」「釜を使う」など従来の宅配ピザとは真逆の発想で生み出した。そのため、従来のデリバリーシステムに比べ、「無駄は多いが、それがナポリ。手をかけてこそ今のナポリがある」という。業績も好調で、主要ユーザーも中高年層と、従来とは異なる層の支持を集めている。

今期は海外出店に注力する方針だ。08年12月にカナダに海外1号店を出店しており、09年は米国や上海へも進出する予定。「来期は一気に世界へ」行く計画だ。

一方、「規模を大きくするつもりはない。1店舗1店舗をどれだけ大事にするかが重要だ」とも語る。その根底には、時間をかけて培ってきた利用客、加盟店、社員との信頼関係がある。

「当社はお客様、加盟店、社員を大事にすることで、生き返った。オリコン1位は簡単にできたことではない。店長が、胸を張れるピザ屋になろうよ、と考えることができれば生き残れる」。(9/10)

宮下雅光(みやした・まさみつ)
1950年生まれ、北海道出身。70年日本IBMに入社(在学中に入社)、71年日本電子工学院(現日本工学院)卒業。83年日本シンク(現いちごホールディングス)を設立、代表取締役に就任(現任)。86年ストロベリーコーンズに社名変更。03年いちごホールディングスに社名変更、会社分割により新設されたストロベリーコーンズの代表取締役に就任(現任)。