任期終了のサマンサ・シャミソン駐日代表の後任として、9月1日にMLA豪州食肉家畜生産者事業団の新駐日代表に着任したグレン・フィースト氏。同氏はこれまでMLA駐韓代表として、韓国市場で「Kids Love Beef」などのキャンペーンを成功させ、4年連続で「韓国ベスト・ブランド賞」も受賞するなど、オージー・ビーフのイメージアップに貢献してきた。その手腕を今度は日本で発揮する。
前任のサマンサ・ジャミソン氏は、BSE発生後の牛肉の需要が大きく落ち込んだ混乱の時代に駐日代表に就任し、積極的なプロモーションやキャンペーンを展開し、オージー・ビーフのイメージアップを図り、日本市場におけるオージー・ビーフの地位を不動のものとした。グレン氏の駐日代表就任は、世界経済不況の真っただ中。日本の牛肉消費は落込み、先行き不透明感が強まっているとき。
この厳しい環境に対して同氏は、「政府機関、団体と協力して市場アクセスの維持に努力していく。日本はオーストラリアにとって重要なマーケットであり、最もエキサイティングなチャレンジが始まった。日本はすばらしい食肉のマーケットだが、さらに高いところに持っていきたい」と抱負を語る。
そして「目指すゴールは、日本での牛肉の消費拡大である。これによりオージー・ビーフの需要も拡大していきたい」と語る。日本でBSEが発生後、牛肉の消費は25%も落ち込んだままで推移し、世界不況のあおりでさらに牛肉消費の低迷が懸念されることから、牛肉全体の需要を喚起し、それによって対日輸出の維持、拡大を図ろうという戦略である。
具体的には、「日本市場で牛肉全体の消費を回復させるためには、安全・安心・信頼性に加えて、牛肉と健康面でのアピールが重要。牛肉と健康については、栄養士向け、一般消費者向けの2種類のパンフレットを作成。これを活用して牛肉全体の消費を回復させていきたい」「安全で楽しく、そして健康にも良いことをアピールすることで、日本での牛肉の需要を回復させていきたい」と、就任早々、新たな戦略を打ち出した。
また、オーストラリア現地では、ここ数年干ばつの影響を受けてきたが、最近の現地での生産の状況については、「北部を中心にかなりの降雨があり、干ばつは終息の段階に入った。これによりいい牧草が育ち、いい牛が育つ。飼養頭数、枝肉生産量も今後、徐々に増加していく。対日輸出量も徐々に増加していくだろう」と予想する。
世界経済不況の影響については、「すべての輸出先国では、消費者の節約意識により低価格志向が強まっている。オーストラリア現地の生産も世界の需要動向に対応して、コストの安いショートグレインにシフトしている」としながらも、「今の状況(経済不況)はいつまでも続くことはない。特に日本では回復の兆しが見えており、来年の夏場にかけて景気は回復していくのでは」と予測する。逆境の中で、明日の明るい展望に向けてのエキサイティングなチャレンジが始まった。(10/15)
グレン・フィースト
南オーストラリア州ワイアラ出身。オーストラリアの流通小売業の食肉部門で20年間勤務。92年から香港の大手流通小売業のディレクターとして活躍。03年にMLA駐韓代表に就任し、韓国市場でのオージー・ビーフのイメージアップに貢献。


