秋冬限定の「雪見だいふく」、全国で通年販売へ/ロッテアイス

〈18年度100億円に挑戦〉
秋冬限定販売だった2個入りの「雪見だいふく」アイスを、今年4月から全国で通年販売に踏み切るのは、市販用アイス最大手のロッテアイス。冬季限定を取り払うことで売上規模を一気に拡大し、年間100億円のメガブランドに早期に育成する考えで、18年の同社最大の取り組みとなる。

〈ターゲットを20~30代女性中心から10~30代男女に拡大〉
「若い女性を中心に愛され秋冬限定販売だった『雪見だいふく』を、幅広い世代に年中いつでも食べてもらうブランドへ舵を切る」(同社の海老原真一執行役員商品開発部長)。

通年販売化は、発売から33年間守り続けてきた秋冬の風物詩のイメージ、こたつで食べるアイスの世界観を、「メーカーが勝手に限定しているだけではないか?」とのブランド担当者の疑問がきっかけ。

消費者調査してみると、ロングセラー商品ゆえ、1年中売っていると思っている人が大半を占めたことから、丸くて柔らかなもちアイスの癒されるイメージが、季節問わず受け入れられるのではないかと、15年7~8月に首都圏一部チェーンで小規模テストを実施。16年4~8月には北海道・九州エリアで先行販売し、17年4~8月に東日本・九州にエリア拡大、そして18年4月、全国で通年販売化する。

「コミュニケーションのターゲットはこれまで20~30代女性が中心だったが、今年は10~30代男女へ大きく広げる」(同)。新たなターゲットには、様々な媒体を通してブランド体験してもらい、「雪見だいふく」を身近に感じてもらおうという計画だ。単独のブランドとしては18年度最大のプロモーションとなる。

〈SNS等で食べ方、食シーンの発信も〉
「16年に食パンにチーズと雪見をのせてレンジでチンするだけの『雪見トースト』が話題になった」(同社商品開発部)。そのまま食べても十分おいしいが、大福餅とアイスという唯一無二の組み合わせを、食べ方アレンジを通して発信も。

既に消費者のSNS投稿からも自然発生的にちょい足しレシピが流行っており、今年は公式インスタグラムで「かけるだけ」「のせるだけ」の簡単10秒レシピを動画で掲載し、「遊び心」をくすぐる。

そして食べ方の次は、食シーン。「〆雪見」と称し、食後、帰宅後、掃除後、バイトの休憩時間など日常のちょっとした節目、「〆」に食べるシーンを提案する。CM出演の女優・土屋太鳳さんが、WEB動画「太鳳の部屋」で、有名人ゲストと対談し、最後に一緒に〆雪見する(食べる)シーンで、〆パフェならぬ〆雪見の新たな食シーンを作り上げていく。

「過去には四角いパッケージにしたり、フォークの形を変えたりいろいろ挑戦、迷走し、売り上げが落ち込んだ時期もあった。03年にソース入り(フレーバー品)がヒットして以降、順調に拡大を続けており、今年は大きな飛躍の年にしたい」(同)。「雪見だいふく」の18年度売上目標は前年比21%増。メガブランドの仲間入りが実現するか注目だ。

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