今シーズンの鍋つゆ市場は個包装鍋つゆの動向が注目される。その一方で、主力のストレートパウチについては、今シーズンも豆乳、トマト、塩麹などの味のバラエティーに加え、こだわりのだしや、肉タワーの演出、コラーゲンなど機能性素材を前面に出した鍋つゆなど各社が工夫を凝らした味付け鍋つゆが市場を賑わす。

一般的な鍋用の調味料というと、広義には味付け鍋用の専用つゆの他に、醤油系の汎用濃縮つゆやすき焼きの割下、水炊き用のぽん酢、さらにおでんの素まで含まれ、かなり幅広い(図1参照)。この中で中心をなすのが味付け鍋の専用つゆ(スープ)だ。材料さえ揃えれば、簡単に作れて失敗のないことが特徴。

図2に秋冬の市場規模を示したが、味種的には塩味などのあっさり系が伸びている。一時勢いのあったキムチ、チゲ系はやや収まっており、代わりに担々系がカバーして辛み系はほぼ横ばい。味噌、醤油、豆乳など濃厚系も善戦しており、ややプラスで推移している。なお、形態別ではパウチ(ストレートなど)が約7割強を占め、個包装タイプ(キューブ、濃縮スティックなど)が20%前後、瓶・PETが1割弱となっている。

さて、最近の鍋市場の特徴の一つにPB(プライベートブランド)のストレートパウチの増加がある。これまでPBはよせ鍋(醤油)、味噌味、塩味、キムチ味といった基本的な味をカバーしていたが、鍋市場の活性化から豆乳系やトマト鍋などかなり幅広い種類が見られるようになった。そのため、ナショナルブランド各社はさらなる一工夫をしないと棚を確保できない状況となっている。

その一つがPBではできない新技術による固形・乾燥タイプや超濃縮など1人鍋需要を意識した製品だ。また、ダイショーは2人用のストレートパウチをシリーズ化した。

もう一つが、味種のバラエティー化やだしにこだわった高級感あふれる鍋つゆだ。ヤマサ醤油が外食でトレンドの肉タワー鍋を自宅で楽しむための「匠鍋」2品、ヤマキは同社売れ筋の「軍鶏系地鶏だし塩鍋つゆ」とペアで「こくだし味噌鍋つゆ」をラインアップした。Mizkanは個包装の「こなべっち」のフレーバーをストつゆで売れ筋の5品に合わせ、〆の追加用に便利にした。

また、キッコーマン食品は個包装の「Plas鍋」についてイソフラボン、コラーゲン、乳酸菌など機能性素材を強化した3品を新発売し、ドラッグストアでの販売という新ルート開拓に挑む。

また、依然として節約傾向が続いていることも鍋つゆにはプラスに働きそう。多くのメーカーのお薦めレシピは豚肉、鶏肉、タラ、ソーセージ類、旬の野菜、価格安定のきのこ、さらに豆腐やスパゲティなど、経済的な食材をメインにしたものが多く、消費者のニーズを掴みそうだ。

心配された野菜価格はほぼ例年並みで推移しており、秋の深まり早そうなことから、これからの鍋つゆの本格シーズンは例年以上に活性化すると期待される。各社の今シーズンの商品とマーケティングなどを見ていこう。

〈食品産業新聞2017年11月6日付「鍋つゆ・鍋関連商品特集」より抜粋〉

〈鍋つゆ・鍋関連商品特集〉「機能性素材」前面に 工夫凝らした商品が市場をにぎわす

【関連記事】

・今シーズンの鍋つゆ市場、個包装タイプ一層傾注 ストレートは高質タイプに注目