東京団地冷蔵社長 織茂裕氏

東京団地冷蔵社長

織茂裕

おりも ひろし

1956年8月6日生まれ、61歳。早稲田大政治経済学部卒。79年日本冷蔵(現ニチレイ)入社、2004年4月ニチレイ・ロジスティクス九州社長、05年5月には九州冷蔵倉庫協議会会長に、07年5月ニチレイ・ロジスティクス関東社長、12年5月キョクレイ社長、15年5月東京ニチレイサービス社長を歴任した後、16年4月に東京団地冷蔵顧問に就任し、同年6月から同社社長。同年から東京冷蔵倉庫協会会長も務める。

東京都平和島に国内最大の冷蔵倉庫が稼働した。1日に営業を開始した東京冷蔵倉庫の新倉庫は南北の2棟で構成され、収容能力は合計17万8000tと建て替え前よりも約3万t拡大。特に北棟は13万tと国内最大の冷蔵倉庫となる。

「テナント各社からは少しでも多くの容積を要望された。大田区の区道移設を踏まえ敷地を最大限有効活用できる2棟建設を決めた」同社は冷蔵倉庫を運営する13社が集まった、団地方式の冷蔵倉庫だ。従来9棟あった倉庫を、区道を挟んだ南北2棟に集約することで容積を確保した。施設の再整備は1999年ころから検討され始めたという。施設や機能の老朽化により事業継続に課題があるとして、再開発検討委員会がスタートした。

「(業務の空白を生じないよう)代替地に建て替えることが長く検討されたが、最終的に現有地での建て替えに決まったのは2011年3月11日に発生した東日本大震災がきっかけ」旧施設に震災による大きな被害が生じなかったことから、地盤への信頼性が証明され、他方で震災後に首都直下型地震の切迫感が増したこと、一部倉庫棟の耐震調査結果から脆弱性が明らかになったことから、現有地での一括建て替え案の策定を急いだ。

建設コストの高騰が新たな難題となった。「震災復興や国内の老朽化したインフラ整備、2020年東京五輪開催決定による首都圏の開発等が資材の高騰、建設現場の作業員不足に拍車をかけた」しかし他方、社会インフラとして物流・倉庫の重要性が見直され始めた。

「13年の国土交通省による総合物流施策大綱に東京臨海部の老朽化した冷蔵倉庫の設備更新が明記され、国土交通省、環境省、経済産業省など各省の補助事業の活用にメドが立った。低金利政策も相まって、採算性改善の途が開けた」15年3月にいったん営業を休止し、同年4月から解体工事を開始、16年4月15日から建築工事に着手して、当初計画通り18年2月28日に竣工した。

新倉庫は安全・安心、環境配慮、テナントの利便性に最大限配慮。「変革期にある物流の新時代をけん引していくに足る、将来性・利用拡張性を見据えた設備の実装を目指した」耐震面は地盤の液状化対策やハイブリッド免震システムの導入により徹底強化を図り、機械室は5階に、受電設備は管理棟2階に、それぞれ設置して高潮・津波に備えた。

冷凍機にはアンモニアCO2の省エネ型自然冷媒機器を採用。荷捌きスペースは広く取り、テナント同士の共同配送や将来的な協業を想定している。

業界全体が抱えるドライバー不足や過重労働改善対策にも配慮している。大型車両に合わせた転回場や豊富な待機場を確保。事前登録によって効率的なコンテナの付け替えが可能となるシステムも導入した。

〈食品産業新聞 2018年3月12日付より〉