南山物産 代表取締役 中山大希氏

南山物産 代表取締役

中山 大希

なかやま たいき

1979年東京都練馬区生まれ、早稲田大学社会科学部卒業後外資系貿易商社と日系重工業メーカー勤務、2018年3月南山物産設立・代表取締役、座右の銘は「一念天に通ず」、趣味は読書とジム通い。

本格焼酎を中心に輸出を手掛ける会社として今年3月に創業した南山物産。そのトップとして会社の舵取りを務めるのが中山大希代表取締役だ。

元は外資系貿易商社と日系重工業メーカーに勤務していた中山社長だが、同社設立のきっかけは古巣の事業撤退。「日本にはいい技術や商品があるのに、マーケティングなどの差で世界展開において他国に遅れを取ってしまっているケースが多々ある」という想いと、もともと好きでよく飲んでいた本格焼酎の輸出状況がオーバーラップしたことから心に火が点き、商社時代の上司でもある南宮銘取締役を誘い同社を設立。

南宮取締役は「ブレーキを掛けるつもりで会いに来たのに、気が付けば今ここにいる」と冗談っぽく話し、中山社長も自らを「頑固な人間」と評する。

「発展途上の市場であり、身の引き締まる思い」と言いつつも「清酒の貿易は既に活発に行われているが、我々は本格焼酎の輸出を専業に手掛ける貿易商社として、蔵元に寄り添って、世界市場を開拓していきたい」と話す。また、「日本に存在する技術の多くは他国から伝来し、日本国内で発展したものが多い。焼酎についても同じことが言え、蒸留の技術も元を辿れば大陸から伝来し日本で研ぎ澄まされてきたもの。焼酎の貿易には世界や先人への感謝を届けるという意味合いもあるのではないか」と意気込みを語る。

当面は韓国への輸出を強化していく方針で「関税などの都合で日本の焼酎が高くなってしまう国。日本国内では1000円で買える焼酎が、韓国の酒販店では5000円、飲食店であれば概ねその倍ほどで販売されている。しかし、韓国は一人当たりの蒸留酒消費量が世界一。市場としての可能性はあると考える」と現状を分析し「韓国の大手流通ともパイプを作っており、現地で担当者と会って話したところ好感触を得ている」と自信を持つ。

「現地の文化を勘案しつつ、分かりやすくシンプルに日本の本格焼酎を広げていきたい。そのためには本格焼酎についてしっかり知ってもらうことにも焦点を置きながら、飲用機会の提供の場を持つなどして消費量の拡大に努めていきたい。現在は展示会などがその舞台となるが、そのために将来的にはアンテナショップの様な役割を持った展開もできればと思っている。また、国内に目を向ければ、焼酎メーカーは地場産業として確たる地位を築き上げている。そうしたメーカーが製造した焼酎が海外に輸出されることで、地域活性の一助にもなればいい」と今後の希望を語る。

本格焼酎・泡盛の統括団体である日本酒造組合中央会も本格焼酎の輸出について、これまでの食中酒的な提案からスピリッツ的な提案へ方針を変更。既にアメリカなどではイベントも開催し、好評を博しているというものの、日本酒に比べれば小規模な市場であることには間違いない。輸出状況を良い方向に持って行こうとする最中に設立した同社だが、中山社長の取組がどのようにして本格焼酎の世界に新しい風をもたらすのか。今後の活動に期待したい。

〈食品産業新聞 2018年4月2日付より〉