日本初「コーヒーも水もお湯もできる」一体型マシン、ネスレとアクアクララが展開

コーヒーマシン×ウォーターサーバーの一体型マシン
〈19年目標5万台、家庭内外で浸透図る〉
ネスレ日本とアクアクララは、ネスレのコーヒーマシンと、アクアクララの最新機種のウォーターサーバーがひとつになった一体型マシンを11月1日から展開する。一体型マシンは家庭用で日本初という。両社は19年中に同マシンの5万カ所での設置を目指す。両社のサイトでコーヒーや水の定期購入を申し込むと、月額1500円でレンタルできる仕組み。

オフィスを中心に展開する「ネスカフェ アンバサダー」が42万を突破するなど、家庭外でのコーヒー消費を拡大しているネスレ日本。全国に宅配システムを持ち、家庭内を中心にウォーターサーバーを50万台展開するアクアクララ。両社の提携は、飲み物の種類を増やすだけでなく、需要拡大にもつながりそうだ。

ネスレ日本の高岡浩三社長兼CEOは、17日に都内で開いた発表会で、「“ネスカフェ アンバサダー”のお客様には、コーヒーだけでなく、冷たい水やお湯も手軽に飲みたいというニーズがある。私たちはそれを競合とは捉えておらず、お客様の選択にどう応えられるかという問題解決が、アクアクララ社との提携のひとつのきっかけだ。新しいサーバーの開発により、コーヒーマシンへの水の補充の手間がなくなり、手間なく便利にコーヒーも水も楽しめるサービスを提供することが可能になった」とした。

アクラクララの赤津裕次郎社長は、「ウォーターサーバーをまだ使用したことがないというお客様に、ぜひ使っていただきたいという思いがあり、最新機種の“AQUA WITH”と、ネスレのコーヒーマシンがひとつになった一体型マシンを開発した。従来はウォーターボトルをサーバーの上部に差していたが、スペースとデザインを考慮し、下に入れる方式を初めて採用した。新たな技術で騒音防止や雑菌が入らないような工夫をし、自宅やオフィスでも置きやすいデザインにしている。我々は50万人のお客様に利用していただいているが、約8割は一般家庭向けである。ネスレ日本社と一緒に活動することで、オフィスでも成果を出したい」と話した。

ネスレ日本・高岡浩三社長兼CEO(左)、アクラクララ・赤津裕次郎社長(右)

ネスレ日本・高岡浩三社長兼CEO(左)、アクアクララ・赤津裕次郎社長(右)

一体型マシンは、事前に「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」とカプセル式の「ネスカフェ ドルチェ グスト」のどちらかのコーヒーマシンを選択する。「ネスカフェ ドルチェ グスト」を選んだ場合は、コーヒー以外のティーやココアも楽しむことができる。

従来、ネスレ日本が展開していたコーヒーマシンの水タンクは、通常タイプの800ml用とオフィス向けの2L用だったが、一体型マシンは12Lサイズなので約85杯分を連続で提供できるようになる。また、安心・安全な軟水を使用するため、よりまろやかな味わいが楽しめるという。

導入に先立ち、簡易版モデルを春から展開したところ、人手不足の問題を抱えるスーパーマーケットや調剤薬局、カーディーラーなどでは、補充する手間がなく、コーヒーや水を提供できることが好評だった。今後はコインランドリーなどにも提案していく考えだ。

高岡社長は、アクアクララとの提携を決めた理由を、「トップ同士だけでなく、現場の方も含めて顧客の問題解決を一生懸命捉えられるという意思疎通ができたためだ。そうでなければ、短期間に(一体型マシンの開発という)ここまでのイノベーションは生まれない。衛生面でのハードルが高い中で、一体型マシンはインテリアデザイン性にもこだわっている。このような問題に一緒に立ち向かっていけるパートナーはそう簡単にいないと思う」と話した。

「消費者が抱える潜在的課題」(ネスレ日本・アクアクララ)

「消費者が抱える潜在的課題」(ネスレ日本・アクアクララ)