主要百貨店の2017年中元は、一部を除いて低調に終わった。

店頭では早期優待の前半、返礼需要の後半ともに前年比マイナスに終わったところが多く、盛り上がりに欠けた中元商戦だった。一方、店舗からネットへのシフトは着実に進んだ。好調だった商品も洋菓子、産地直送品が圧倒的に多く、パーソナル需要に支えられていることが改めて浮き彫りになった。

●パーソナル需要が下支え

本紙が主要百貨店に行ったアンケート調査では、店頭、外商、ネットを合計した中元全体の売り上げが、前年より増加したのは、高島屋(関東地区)、JR名古屋タカシマヤ、高島屋大阪店、阪急うめだ本店、あべのハルカス近鉄本店のみだった。うち、店頭での売り上げを伸ばしたのはJR名古屋タカシマヤのみで、ほかはネットの伸長が店頭の落ち込みをカバーした。

今中元の特徴について、「ギフトセンターは苦戦もECで拡大」(三越伊勢丹ホールディングス)、「店頭からインターネットへのチャネルの変化が感じられる」(大丸松坂屋百貨店)、「ギフトセンター売上減、ネット売上伸長」(高島屋)など、ネットへのシフトを記述してきた百貨店は多い。「7月前半は台風の影響で来店客数が減少し、ネットでの受付が大幅に増えた。いつも来店されている方も、利便性からネットで注文された様子もうかがえた」(阪急うめだ本店)といった声もあり、固定客の来店が減るという痛しかゆしの状況も見受けられた。

「早割、送料サービスは有って当然と思われている」(丸栄)など、早期優待による囲い込みの効果が薄れてきたことも今中元の特徴だ。「前半に比べ、後半が前年比でみると改善しており、実際のお中元期にお求めいただける傾向がうかがえる」(大丸松坂屋)、「後ろ倒れ傾向が続いている」(高島屋)など、近年進んできた前倒し傾向から、本来の中元のピークの7月上旬に客足が戻ってきているとも言える。

しかし、「お買い上げが直近になる傾向もあり6月は厳しかった。7月に入り好調を期待したが、むしろさらに落ち込み、盛り上がらないまま終息を迎えてしまった」(松屋)といった記述もあった。以前は6月前半の早期優待、ピークの7月上旬、7月下旬から8月にかけての返礼需要と3つの山があったが、今中元では早期と返礼が縮小して、本来のピークだけになってしまい、より状況が厳しくなったとも言える。

商品別の動きでは、「テーマ商材のヨーグルトやカタログ写真映えする菓子・惣菜ギフトの伸長から、従来の慣例ギフトから、日常のパーソナル・カジュアルギフトへのシフトが加速している」(そごう・西武)、「缶詰・海苔・かつおぶし・お茶が不調。いわゆる定番よりパーソナルギフトへ人気が移行」(丸栄)、「洋菓子、洋酒・ワイン、精肉、野菜・果物、惣菜が好調。食生活の洋風化と、親しい家族への思いやりギフトが進行した。ビールや佃煮・漬物などが不調。儀礼ギフトが減少している」(高島屋大阪店)など、親しい人に贈るパーソナル需要が、中元を支えている傾向も改めて明白になった。