西日本を中心に甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」。酷暑の中、被災地では懸命な復旧活動が続けられている。“地域のインフラ"ともいえるSM(食品スーパー)などを展開する大手流通各社は、豪雨の影響を受けた店舗を一時営業休止していたが、24日現在、一部の店舗を除き営業を再開している。商品面では、豪雨と記録的な猛暑の影響が出始めており、野菜などの相場高騰が懸念される。

広島市に本社を置くイズミは、最も被害を受けていた時期は3店で営業を休止していた。現在ほぼ通常通り営業を再開しているが、「ゆめマート安浦店」(広島県呉市)は、被災の影響で営業再開のメドが立たたない状況だという。商品面では、豪雨に続く記録的な猛暑の影響もあって、野菜の相場が徐々に上がってきているが、現時点では目立った影響はないとする。

フジ(愛媛県松山市)は、当初は閉店を余儀なくされた店舗もあったが、現在では全店で営業を再開している。商品面では、7月に入ってから曇天や長雨の影響で全国的に野菜の相場が上がりつつあったが、豪雨の追い打ちもあって九州産のホウレン草や春菊、水菜といった葉物野菜が仕入れにくい状況だとする。記録的な猛暑の中、断水された地区もあることから、アイスや飲料の売り上げは例年より上がっているという。

イオンリテールも、現在は全ての店舗で営業を再開している。水産のアジが一部入荷しにくい状況だが、豪雨と猛暑の複合要因と見ている。

イオングループのマックスバリュ西日本では、6日に発生した豪雨で広島県三原市の「マックスバリュ本郷店」が高さ3mまで冠水し、営業できない状況に陥っていた。近隣住民の要望もあり、14~24日まで敷地内で店頭出張販売を行っていたが、25日からは約3倍に売場を拡大し、敷地内で仮設店舗の営業を開始した。冷蔵ケースや冷凍ケースを設置し、店頭販売では提供できなかった野菜・果物・刺身などの生鮮食品を出すことも可能となった。同店の通常営業については、9月末から10月上旬まで再開できない見通しとする。その他の店舗では、通常通り営業を再開している。

関西と首都圏の都市部を中心に展開するライフコーポレーションは、豪雨被害がそれほど大きくなかったエリアに店舗があるため、雨漏りや交通機関の遅れで従業員が出社できない等の影響はあったが、営業を休止した店舗はなかった。商品面では、中四国や九州の葉物野菜の相場高により、今後仕入れにくくなる可能性があると見るが、現在のところそれほど影響は出ていないようだ。

〈食品産業新聞 2018年7月30日付より〉