高島屋は去る9月25日、東京都中央区の「高島屋東京店」(本館)隣接地に新館を開業した。今年3月開業の東館、ウォッチメゾン(時計専門店)と合わせた総売り場面積6万6000平方メートル、4館体制の都市型ショッピングセンター(SC)「日本橋高島屋S.C.」が誕生した。地上1階と地下1階の新館食品フロアは、本館地下1階の食品フロア、いわゆる「デパ地下」と差別化、補完するテナント構成にした。

本館の営業時間は10時30分~19時30分(レストラン街は22時閉店)。一方で新館は「近隣住民や就労者の様々なライフスタイルに合わせ、営業時間は店によってバラバラにした」(高島屋子会社でSC開発事業を行う東神開発の清瀬和美日本橋事業部長)という。地下1階は地下鉄に直結し、早朝から夜遅くまで、地上1階へ通り抜けができる。

〈本館食品フロア=「銀むすび」「ポタスタ」など10店が早朝7時30分から営業、「成城石井」は23時まで〉
食品フロアでは周辺オフィスの勤務者をターゲットに、早朝7時30分から営業する店舗を10店舗設け、朝食需要に対応する。他方でSM(食品スーパー)「成城石井」は新館の他のテナントが20時に閉店以降、唯一深夜23時まで営業する。周辺は昔からの住民に、タワーマンションに住む新しい層が加わり、居住人口は増えている。しかし百貨店の食品売り場閉店後は、買い物ができるのはコンビニのみになり、夜間営業のSMへの需要は高かった。

地上1階では半数の店舗が早朝営業を行う。早朝営業10店のうち9店が地上1階に集中し、日本橋界隈の朝の需要をまとめて担う。「銀むすび」(おにぎり)、「ポタスタ」(無農薬野菜のサンドイッチ)、「神戸牛のミートパイ」、「カユ・デ・ロワ」(お粥)など様々なメニューを朝から用意する。

地域に不足する早朝営業のカフェも充実させ、地上1階には「ディーン&デルーカ」を導入。ベーカリーは地下1階に「リチュエル」、地上1階に「365日と日本橋」の2軒を導入し、両店とも早朝から営業し、イートインを設けた。

SMも地下1階に「成城石井」(営業時間10時30分~23時)、地上1階に「紀ノ国屋アントレ」(7時30分~20時)の2軒を導入。本館の「デパ地下」とは棲み分け、紀ノ国屋は朝食、成城石井は昼食と仕事帰りの買物に重点を置く。

両店ともデリカの店内加工を行う。紀ノ国屋は朝食用にスープ、サラダ、サンドイッチを店内で作る。「まめプラス推進委員会」(代表=不二製油グループ本社)と組み、大豆ミートや豆乳ホイップクリームを使ったコッペパンサンド「SOY TIME」を店内で作り、同店限定で販売する。健康に気遣う働く女性がターゲットだ。

成城石井は「フレッシュトリュフとベーコンのピッツァ」「広島県江田島産カキフライ」「黒毛和牛のステーキ丼」など、原材料にこだわったメニューを店内で作る。成城石井のデリカはセントラルキッチンからの供給が基本で、店内加工を行う店舗は、約170店中約10店のみ。

〈新館食品フロア=16店舗でイートインスペース導入、「梅丘 寿司の美登利」初の立ち食いも〉
日本橋は飲食店が不足しており、新館の食品フロアでは16店舗でイートインスペースを導入し、本館のデパ地下とも差別化する。地下1階「梅丘 寿司の美登利」は同社初の立ち食いスタイルの店舗。
地下1階「梅丘 寿司の美登利」は初の立ち食いスタイルを導入

地下1階「梅丘 寿司の美登利」は初の立ち食いスタイルを導入

新館全体のテナント数は115。非食品では4階に茶道教室、出勤前に寄れる女性専用ヨガスタジオなど体験型のテナントも導入した。5階は「日本橋になかった男性やシニアの方がぶらぶらできる空間」(清瀬事業部長)を目指したファッションや雑貨のテナントを集めた。5階には早朝7時30分から夜22時まで営業の「スターバックスコーヒー」も導入し、長居できるフロアになっている。

〈食品産業新聞 2018年10月4日付より〉