食品関連業界のトップの約7割は今年の我が国及び自業種の景気は「変わらない」とみている。ただしその内容は「個人消費に力強さがない」など『厳しさが続く』という意味合いがある一方、トランプ米政権下でのアメリカ及び世界経済の見通しが不透明で、『予測不能』という考えも強い。また、自社見通しについては「やや良くなる」が前年よりやや低いが55%であり、「なんとしても自社の業績を向上させる」という意気込みが伝わってくる。経営者層を対象とした本紙新年号アンケートの結果だ。

新年景気見通しアンケートは昨年12月中旬までに食品関連企業のトップに書面で回答していただいた。本紙新年号に掲載したもので55人から回答を得た。回答者の業種内訳は食品メーカー40社(外食含む)、その他(流通・小売・商社、機械・資材等)が15社。ご回答いただいた皆様に紙上で御礼いたします。

我が国の景気全般については「やや良くなる」は24%で(前回19%)、「変わらない」は67%(同77%)、「さらに悪くなる」が9%(同4%)となった。「やや良くなる」の理由は「国内景気に回復の兆し」が多く、「さらに悪くなる」では「円安で輸出不振」などをあげている。前年より減ったが、最も多いのが「変わらない」で、「個人消費に力強さがない」「円安で原料高懸念」など厳しさが続くという意味の「変わらない」。また今回はトランプ新政権発足の影響で「世界経済は不透明」という理由が目立った。

自業種の景気予測について図1に示した。ここで目立つのが「やや良くなる」が前回の20%から11%に減少したこと。「人口減・高齢化」や「節約志向の継続」「2極化の浸透」「円安による原料価格高騰」などを理由に「変わらない」「さらに悪くなる」が増加したことで、「やや良くなる」が半減した。

次に自社の業績予想について。「やや良くなる」は55%で前回の61%からやや減少。「変わらない」が44%(前回39%)で「悪くなる」は2%(同0%)。経営トップの予想であり、目標や希望も含まれている可能性がある。それでも「基幹商品が好調」「海外進出が加速」など具体例をあげる回答があった反面、「商品開発と販促活動」「価値訴求を掴む」など目標・希望ともとれる回答もあった。

また今年度の経営課題について聞いた。収益基盤の構築、生産性向上とコスト削減、価値ある新商品開発、全体最適化などが見られた。また、働き方改革やチームワーク強化、人手不足対応など人への投資も課題にがっている。中国など海外の拡大、国際化対応などもあがった。新規取組みというより、さらなる積極策という感が強い。

今回も消費者ニーズを掴むために必要な高付加価値商品の開発キーワードを16項目から選択してもらった。複数回答で平均6・1個の回答があり前回の5・3個をやや上回った。結果は図2の通り。上位3点の順位は食品としては当然なことなので7割以上となった。「安全性」「おいしさ」はあまりに当然なので、あえてチェックしないと思われる回答もあった。「健康」が「おいしさ」を抜き2位に入った。

昨年は機能性食品表示が行われたため「機能性」が6割を超えが、今回はやや低下した。増えたのは「高齢者対応」「斬新性」「小容量化」「メニュー提案」など。

表には入れなかったが、「アクティブシニア対応」も18%あり、「高齢者対応」と合わせると6割を超える。いよいよ高齢者社会への対応の必要性が多くの業種に及んできたようだ。