2016年度の国内カレー市場は、メーカー出荷ベースでルウカレー601億円(前年度比3%減)、レトルトカレー473億円(同5%増)で着地したと推計される。17年度に入って、ルウはロングセラー中心に堅調に推移し、レトルトは複数個パック品中心に前年からの良い流れを継続している。

今期に入って、レトルトカレー市場における複数個パック品の構成比は16%を超え、20%に迫る勢いだ。シェア上位社はハウス食品、エスビー食品、日本ハム、丸大食品。例えば4個パックなら店頭で400円前後となって、絶対価格では高価格帯(250円~)に入るが、ユニットプライスとしては安い。そのためレトルトカレーのヘビーユーザーや備蓄需要の受け皿となっている。1個当たりの価格の安さから、過度の廉売からの脱却にも一役買っている。

複数個パック品の多くは、カレーソースに重点を置いて開発されているので、肉や野菜を炒めてソースを加えるフライパン調理がおすすめ。野菜が高騰するなか注目度が高まっているカット野菜を使う人も増えているようだ。レトルトカレーにおける湯せんやレンジ調理、ルウカレーにおける煮込み、これに近年ではフライパン調理が加わり、カレーメニューの食卓登場頻度を下支えしている。

そもそも日本の国民食と言われるカレーは、経済的なメニューでありながらバスケット単価が高く、小売店にとって魅力的な商材と言える。消費者に対してはメニュー間競争の激化や調理の外部委託化が進むなか、カレーメニューを選択し、調理してもらうため、経済性だけでなく価値を感じ取ってもらうことが必要となっている。

したがって、近年のキーワード「生野菜×カレー」の打ち出しを強めるとともに、カレーメーカー各社が母の日や父の日、ハロウィンなど、催事を切り口とした〝ハレの日〟のメニュー提案を積極的に行っている。催事をきっかけに顧客接点を拡大し、ひいては日々の食卓登場頻度を上げていこうとする試みだ。

レトルトに関しては、複数個パック品なら先に述べたように、ひと手間加えるだけの簡便調理ニーズにも対応できる。それ以外の商品ならば、メニューとしての完成度の高さが最大の利点となる。依然、価格の上下動に敏感な消費者は多いが、小売店頭では低価格帯(100~149円)から中価格帯(150~249円)、高価格帯まで、幅広い価格帯でメニュー価値の高い商品を多数品ぞろえ、レトルトカレー売り場は拡大傾向だ。