〈講演3:子どもたちが笑顔になれる給食を(株)トモ 学校給食事業部副長 福島美希氏〉
今回は、2つの受託園の取り組みを紹介する。1つ目は、松阪市の保育園における「~保育士と連携した献立作りと食育活動~」だ。園には0歳児から5歳児までの104名が在籍している。

〈完食を目指し保育士と一緒に作る献立〉
献立内容と5歳児のクッキング日程は、まず当社栄養士が作成し、保育士の先生に提案。この園には、できるだけ給食を完食させたいという先生方の思いがあるので、完食できる喜びを持てる献立内容にするため、子どもたちが残さず食べやすい組み合わせか、好きなものだけが重なっていないか、逆に、苦手なものばかり揃っていないかなど協議を重ね、献立を作りあげる。子どもたち1人1人を一番理解している保育士の皆さんの意見を献立に反映させることを心掛けている。

クリスマスのイベントでは、園児6人で1グループとなり、ケーキをデコレーションした。いちごをカットし、スポンジに生クリームとフルーツを盛り付けて、2枚のスポンジを重ねる。その上に生クリームとイチゴで飾り付けて完成だ。おやつの時間まで調理室で保管していると、子どもたちがわくわくしながら、給食室をのぞきに来ていたのを今でも思い出す。

〈給食時間を楽しくする工夫〉
続いて、給食時間を楽しくする工夫を紹介する。この園では食缶に薄いバットを使用しており、乾燥しないよう、その上にラップをかけている。殺風景で寂しいので、ラップに黒マジックで園児が好きなキャラクターのイラストを描くと、園児は毎日、おやつの時間の時に見れるイラストを楽しみにするようになった。

卒園が間近に迫ると、卒園児に好きなメニューを提供する日が来る。園児全員分の旗を作り、衛生管理に気を付けながら、1人1人に卒園のメッセージを手書きで送ると、大変喜ばれた。

〈収穫体験とクッキング〉
2つ目は、度会町の保育所における「~保育士との連携・地域色を生かした食育活動~」だ。この園では毎月のように、▼季節の野菜の種まき・苗植え・収穫、▼園児が収穫した野菜を食べる(調理員が調理、素材本来の味を感じる)、▼園児が収穫した野菜を使用したクッキング、▼行事食を通じて日本の文化・行事に触れる、▼3歳児~ 5歳児全員でクッキング、▼食を通して地域住民との交流を図る、など様々な食育活動を行っている。

収穫した野菜・果物のクッキングの一例としては、6月はじゃがいもを収穫してカレーパーティーを、8月はトマトを収穫してピザトーストのトマトソースを、10月はさつまいもを使ってやきいも・スイートポテトを作った。園児は収穫した野菜・果物を自分たちで調理することで、感謝の気持ちや食べ物を大切にする心を育むとともに、作物を育てる大変さを味わい、野菜本来の旬の季節を知る。

こどもの日には、食器の下に園児の成長のお祝いのメッセージを綴ったランチシートを敷いて提供。後日、園児は喜んで自宅に持ち帰ったと保育士の先生から報告を受けた。

アレルギー対応については、アレルギーのある子どもにも、見た目に遜色のないよう配慮し給食を提供している。

〈クリスマスイベントとキッチンカーの活用〉
最後に、当社の取り組みを2点紹介する。1つ目は、クリスマスのサプライズイベントだ。サンタに扮したスタッフが、アレルギーに配慮したお菓子の詰め合わせとメッセージカードを園児に手渡しする。園児はもちろん、保育士の先生方にも喜ばれている。

2つ目は、キッチンカーの活用だ。当社は55周年を記念し、災害緊急用キッチンカーを2台作成した。これは、災害が起きた時に、給食会社として地域の皆様に貢献できることはないかと考え、会社が総力を結集して作ったもので、子ども向けイベントや食育イベントの場、地域の防災訓練などにも活用されている。

これからも、子どもたちが笑顔になれる給食を目指し、安全・安心を第一に給食を作り続けていく。

〈給食雑誌 月刊 メニューアイディア 2018年4月号より〉

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