全国の淡水産マス類養殖業者が集まった組織である全国養鱒振興協会(小堀彰彦会長理事)は、家庭で魚を食べる機会が少ない児童・生徒に国産ニジマスの魅力を知ってもらうため、毎年、首都圏の小・中学校で「ニジマス特別授業&特別給食」を実施している。去る1月23日には、江戸川区立第2葛西小学校(東京都)で実施、“ニジマス博士”こと小堀会長理事は5年生約135名に国産ニジマスの特徴を分かりやすく解説した。
ニジマスの生態や歴史について話す小堀会長理事

ニジマスの生態や歴史について話す小堀会長理事

授業の後には、ニジマスをメインのおかずにした給食。全校生徒約1000人に「ニジマスのさざれ焼き」が提供された。児童らは「旨すぎて何にも言えない」「骨があるけど食べやすい」「勉強してから食べるとより美味しく感じる」など喜びをあらわにした。
 
〈全国で活発化するニジマス生産〉
「ニジマスを知っている人はいますか?」特別授業で、小堀会長理事は開口一番、このように児童に呼び掛けた。「みんな知らず知らずのうちに、お寿司屋さんなどでニジマスを食べているんだよ。ニジマスの卵が海で養殖されたものがサーモンだから。でも、昔は日本にはいなかったんだよ」などと、国産ニジマスの歴史を丁寧に説明した。
 
小堀会長は「ニジマスは淡水生まれなのに、海でも養殖できる不思議な魚だ。一生のすべてを人間が管理して生育できる数少ない魚種である」と述べ、生態や養殖方法についても解説。
 
ニジマスが持つ栄養価については「たんぱく質、カルシウム、ビタミン、DHA(ドコモヘキサエン酸) が豊富だ。低カロリーで高たんぱくだからアスリートにもおすすめしたい」と高い栄養価をアピールした。近年は高い抗酸化作用を持つアスタキサンチンを多く含むことも注目されているという。
 
食育授業と給食の後、小堀会長理事はクイズを出題、児童は授業内容を思い起こしながら楽しそうに回答してニジマスへの関心を高めた。また、教室には大・中・小のニジマスが展示され、児童は普段目にしない生のニジマスに実際に触れて興味深そうに観察する姿が見られた。

興味深そうにニジマスを触る児童ら

興味深そうにニジマスを触る児童ら

なお、ニジマスは北アメリカ原産のサケ科の淡水魚である。アメリカから卵の寄贈を受けることで、日本で養殖が開始されたのが約140年前の明治10年(1877年)だ。今では北は北海道、南は鹿児島まで、清涼な湧き水や地下水、渓流水が豊富な各地の養殖場で、卵から出荷まで厳しい管理のもと大切に育てられており、全国各地で100種類以上の「ご当地サーモン」の生産が活発化している。