グリーンハウス、横浜銀行のSDGsセミナーでサステナブル・シーフードをPR

「SDGsを意識すると日々の暮らしが楽しくなる」と話す水野真紀さん
〈水野真紀さんと共に開発したメニューを社員食堂で提供〉
グリーンハウスは8月24日、横浜銀行が開催したSDGsセミナー「サステナブル・シーフードを通じてSDGsを考えよう!」に全面協力し、同行の行員などを対象にサステナブル・シーフードの普及に向けたPRを行った。

前半で銀行の総合企画部がSDGs策定の背景や特徴を伝えて、地域金融機関がSDGsに取り組む意義を参加者と共有。後半では27日から本店社員食堂で提供が始まるサステナブル・シーフードについて、銀行のイメージキャラクターを長年務め調理師免許を持つ俳優の水野真紀さんと、グリーンハウスの米今和也氏によるパネルディスカッションを実施、試食会を行った。

サステナブル・シーフードとは、水産資源や環境に配慮し適切に管理された漁業で獲られた水産物、あるいは環境と社会の影響を最小限に抑えて育てられた水産物をいう。世界の水産物の漁獲量は1950年から1980年にかけて3倍に増加し、その後も増え続け、自然の乱開発や海水の汚染も相まって世界の水産資源の状態は悪化している。将来も魚を食べ続けてくためには、環境に配慮した漁獲が不可欠であり、サステナブル・シーフードの考えが求められるようになった。

水野真紀さんは1年数カ月前に、大学で受けた環境教育の授業でSDGsとサステナブル・シーフードを知ったという。

「私たちの世代はあまりにもSDGsを知らなすぎる。若い世代は結構、水筒を持参している。帰宅して、息子にSDGsを知っているか尋ねたところ、逆に知らないの?と返された。学校や塾の授業で教わるようだ。私も “生きる”イコール“ゴミを出す”ことだと考え、いかにゴミを減らすかを日々考えている。SDGsを意識すると日々の暮らしが楽しくなる」。

普段の食において環境に配慮している点を聞かれると、「残さないこと、捨てないようにすることだ。スーパーでは、期限が近く、安くなった商品を積極的に買う。状態が悪すぎると別の話になるが、今日食べて問題ないものなら買う」と強調する。また、調理においても、それまでお漬物を作る際にビニール袋を使っていたが、今は再利用できるタッパーを使用することで、なるべくビニール袋を使わないよう気を付けているそうだ。

グリーンハウスは昨年秋よりサステナブル・シーフードの社員食堂における提供を開始し、現在の導入事業所は15店舗。米今さんはSDGsの取り組みについて、「当グループでは経営理念に4つの信条を定めている。第1にお客様、第2に働いている従業員、第3に地域社会、そして第4を地球環境とし、お客様と協力してプラスチックごみなどの回収を行う年間50回以上の地域清掃活動や、運営する社員食堂で、クライアント企業と共にプラスチックストローを削減するなどの取り組みを実施している」と紹介。

また、顧客の要望を受けて、レインフォレストを使ったコーヒーの提供やフェア・トレードを使った食材の活用も行っていると話した。

サステナブル・シーフードが社員食堂に導入されるのは国内の銀行では初めて。試食会で提供されたメニューは次の3品。どれもメニュー開発の時点で水野さんが味、見た目、食感などの要望を伝え、グリーンハウスが調整、改善を行い提供に至ったものだ。

「ASCエビと玉子のチリソース」はエビのプリプリ感と時間が経っても柔らかい卵が特長。水野さんの要望を受け、ネギのシャキシャキとした食感を楽しめる。「ASC白身魚のチーズパン粉焼トマトソース」は要望を受けて、チーズの風味とコクをプラス。「MSCサバの塩焼き」は、サバの素材の味を活かした一品で、リクエストを受けて、大根おろしは荒削りにした鬼おろしに、辛味よりも旨味を重視した塩を使っている。

8月27日から社食で提供開始したサステナブル・シーフードメニュー

8月27日から社食で提供開始したサステナブル・シーフードメニュー

水野さんは一消費者として企業に期待したいことを尋ねられると、「社会の変容により個人は変わらなくていけない。こういうSDGsに関するセミナーのように、情報共有の機会を持つことで行員一人ひとりの意識が変わり、地域に広がり、社会全体が変わる。企業が積極的に伝えることで良い循環が生まれる。その循環を期待したい」とコメントした。
 
両社は今後もSDGsを積極的に取り組み、連携してメニュー開発も行う意向だ。