外食12月期中間 前年より3社減4社が増収増益 人件費上昇で営業利益が減少

本紙は上場外食企業の2017年12・11月期第2四半期決算と17年5・6月期決算概況をまとめた。第2四半期の増収営業増益企業は12社中4社で、前年同期より3社減った。継続的な採用難・人件費上昇が、各社の利益を押し下げたようだ。加えて、物価上昇への懸念から、消費者の節約志向は続き、依然として外食企業は厳しい経営環境が続いている。

トップのすかいらーくは増収、営業減益で着地した。営業利益の減少は、6月末時点で株主優待券の金額を3倍(前年比6億円増加)にしたことによる見積り計上が最大要因。店舗数増(上期新規出店累計39店)による総売上高の増加以上に、人件費が膨らんだことも営業利益の減少に繋がった。出店数増による増加に加え、最低賃金の上昇、社会保険の適用拡大などを要因に人件費は前年同期と比較し22億円増加した。一方、既存店売上高は0.9%増で着地。深夜営業時間の短縮で客数は前年を割れたが、客単価は1.5%増となった。

優待券の発送は9月以降を予定しているため、下期に優待券効果を期待し、通期では増収増益での着地を見込む。また10月には都心部でサイドメニューを中心に価格改定を実施する予定で、人件費上昇分の吸収を目指す意向だ。

続く日本マクドナルドホールディングス(以下、HD)は15年から実施するビジネスリカバリープランの進捗により、売上高、営業利益ともに大幅に増加した。メニュー施策では「おいしさ向上宣言」を掲げ、コーヒーの見直しや「おてごろマック」に新メニューの追加などを実施。積極的な店舗改装も奏功し、既存店売上高は14・3%増と大幅に前年を上回った。サラL・カサノバ社長は会見で連結業績予想の上方修正を発表し、「修正後の当期純利益は前期比3.8倍の200億円を見込む。株式上場時(2000年)の過去最高益を更新する見通しだ」と述べ、着実な成長を遂げたことで来期以降は、積極的な出店を進めていくとした。

増収営業増益となったロイヤルホールディングスは、FR「ロイヤルホスト」を主力とする外食事業は減収だった。営業時間の短縮影響が軽微にとどまった「ロイヤルホスト」は好調も天丼「てんや」が苦戦し、一部不採算店舗を閉店したことも減収につながった。外食事業の落ち込みをインバウンド効果もあったホテル・コントラクト・機内食の3事業がカバーした。