主要外食企業決算、増収増益は40社中10社、人件費・原料高に新型コロナが追い打ち、大幅減益強いられる/2020年3月期

「すき家」などを展開するゼンショーHDは営業利益・経常利益・当期純利益のすべてで前期を上回った
外食企業の2020年3月期決算がほぼ出揃った。新型コロナウイルスの影響により、対象企業のうちチムニー、幸楽苑ホールディングス(以下HD)、ヴィア・HD、フレンドリー、ワイエスフードは6月2日時点で決算発表に至っていない。増収増益企業は40社中10社。前期は47社中15社だった。増収企業は21社となったが、人件費や原料価格の上昇、昨年10月からの消費増税に加え、新型コロナウイルス対策としての外出自粛・営業自粛が追い打ちする形で大幅減益を強いられる企業が相次ぎ、営業増益は11社に留まった。21年3月期の業績予想については、新型コロナウイルスの影響を算定することが困難なため、多くの企業が未定としている。

〈ゼンショーHDなど好調、和風FF業態やテイクアウトで強み発揮〉
売上高上位10社では、ゼンショーHD、トリドールHD、松屋フーズHD、王将フードサービス、JFLAHD、日本KFCHDの6社が好調。和風ファーストフード(FF)業態やテイクアウトで強みを発揮した企業中心に収益を確保した。

売上高トップのゼンショーHDは営業利益、経常利益、当期純利益のすべてで前期を上回った。既存店売上高は、「すき家」をはじめとする牛丼カテゴリーが0.4%増、「ココス」、「ジョリーパスタ」をはじめとするレストランカテゴリーが7.7%減、「はま寿司」をはじめとするファストフードカテゴリーが1.0%増となった。新規出店(国内75店舗、海外344店舗)効果と、TCRSレストランズ社を子会社化したこと、米国などで寿司のテイクアウト店を展開するAFC社の新規連結入りによる売上寄与が要因となった。

一方でコロワイドは苦戦した。一時的な販売管理費の増加や閉店損失引当金繰入を含む追加減損損失など複数の一過性の要因が重なり、利益面が前年を大きく下回ったことに加え、2月以降は新型コロナウイルスの影響を受け、売上高も3.7%減となった。

シダックスは、増収減益で着地。メディカルフードサービス事業の赤字店撤退などはあったが、増店効果でトータルアウトソーシング事業の売り上げが増加。利益面は、事業ポートフォリオの見直しによる売上総利益率の改善と間接コストの削減を行ったが、新型コロナの影響による減収や一時的な労務コストの発生、再成長戦略に伴う先行投資などが響いた。

売上収益、事業利益で過去最高を更新したトリドールHDは、国内外で103店舗を出店し、グループ店舗数は1781店舗となった。主力業態「丸亀製麺」をはじめ、全業態の既存店売上高が2.1%増と堅調に推移したことで増益を確保した。

松屋フーズHDは、主力事業「松屋」が連続的な商品導入やキャンペーンを効果的に実施したことにより、既存店売上高が5.3%増加し、売上高は前期を上回った。食材価格の上昇や労務費の増加があったものの、増収効果がコスト増を上回り、利益も前期を上回る結果となった。

売上高・当期純利益が創業以来最高となった王将フードサービスは、人材育成、QSCのさらなる向上、効果的な販促活動によるリピート客の増加、テイクアウトやデリバリー店舗の拡大など市場環境への対応、新規事業展開、直営店7店舗の出店などが寄与した。

売上高11位以下の中堅企業で、増収増益となったのは、モスフードサービス、ハークスレイ、ジー・テイスト、ライドオンエクスプレスHD、東京會舘など。

〈食品産業新聞 2020年6月4日付より〉

主要外食企業の2020年3月期決算(1位~20位)

主要外食企業の2020年3月期決算(1位~20位)

主要外食企業の2020年3月期決算(21位~40位)

主要外食企業の2020年3月期決算(21位~40位)