昨年創業50年の節目を迎え、次の50年に向け新たな一歩を踏み出した京果食品。生鮮野菜を扱う親会社の京都青果合同、海外の青果物を取扱うローヤルなど、グループ各社のシナジーをフル活用してさらなる業容拡大を見込んでいる。平田清志・取締役営業統括本部長(=写真)は、「販売会社として様々な商社の情報ソースを活用し、よりお客のニーズにマッチングした商品を提供できることが単独商社にはない当社の強み」と話す。 前期(17年3月期)の売上高は約130億円、減収増益で着地した。新社長として太田垣公一氏が就任し、在庫、利益、品質、営業活動、人材育成の5つの項目の適正化を経営指針として掲げ、基盤を固めるための政策を展開。また、売り上げ重視の方針を改め、不採算取引を見直した。天候不順や熊本地震の影響で国内産の野菜の供給も不足し減収を余儀なくされたが、利益面では在庫の圧縮による経費削減などが寄与し、増益となった。今期は、前期経緯もあり売り上げは約130億円を計画、利益面では増益を見込んでいる。 同社の凍菜の取扱量は全体で約4万1,000tにのぼり、うち半分以上の2万2,000~3,000tを中国産が占める。葉物野菜を多く取り扱い、最も多いホウレン草で約3,600t、このほか小松菜、チンゲン菜、ブロッコリーやポテト類などを扱っている。「中国産を敬遠する向きもあるが、中国にはノウハウがあり、生産性も高く欠かすことが出来ない。一方で、中国産以外の凍菜も扱っていることが当社の強みでもある」(平田本部長)とし、国内産やベトナム産、エクアドルなど南米産の商品も揃える。 前期は数社と共同出資し、ミャンマーでの事業も開始した。現状では熱波の影響などで想定外の生育不良が続いており、本格生産には至っていないが、その分テストを重ね品質管理を徹底している。「5月までの計画は立てていたが、天候不順の影響で相変わらず状況は不確定。この秋以降に期待している」(平田本部長)。生産品目はホウレン草、サトイモ、オクラ、インゲンなど。「ホウレン草はこの春に収穫する予定だったが、出来が芳しくない。畑の選定も含めて回復するよう手を打っている」。今期は同国で1,800tの生産を計画。また、今期中に新たにブロッコリーとマンゴーに挑戦する。 ベトナムの昨年の生産量は約3,000t、8割位を占めるサツマイモが主力商品だが、熱波や大雨などの影響で原料が高騰した。同国では他にホウレン草、オクラ、茄子、カボチャやサトイモなどを生産している。国産品は、北海道と九州産の商品を扱っている。商品はトウモロコシ、カボチャ、ホウレン草、サトイモなどで、取扱高は約3,500t。昨年は天候不順による野菜の高騰が影響し、北海道ではトウモロコシが打撃を受けたほか、熊本地震の影響でホウレン草の出荷にも影響があった。今期の国内の取り扱いは4,000tを見込んでいる。 前期は人材育成にも注力。4つの課を中心とした組織体制に改め、課長に責任を持たせることで社員の意識向上を目指した。報・連・相を徹底することでスピーディーな情報共有を図り、一定の成果は出ているという。 今期は現場が要求するニーズをより広く吸い上げ、営業活動のレベルアップや商品開発に注力することで、売り上げの底上げを図る。人手不足の影響から加熱の必要がない無加熱の商品など、手早いオペレーションを可能にする商品のニーズは一層高まっており、強化する方針。 このほか、生鮮事業推進部を立ち上げ、京果グループとしての強みを活かし、全ての課で凍菜だけではなく生鮮野菜の取り扱いを可能にする体制作りも推進している。現在、生鮮の取扱量は全体の売上げ構成比の約10%だが、「京果グループのシナジーを活かし、成功事例を増やし水平展開させていくことで取扱量を伸ばしていきたい」(平田本部長)とする。 --続きは本紙で。