ニチレイロジグループ、「トラック事前予約システム」運用開始 待機問題解消へ 杉戸・大阪埠頭の2センターから順次拡大

ニチレイロジグループ本社は13日、トラック待機問題の緩和・解消を図るため、今月26日から「トラック事前予約システム」の運用を開始すると発表した。グループ会社のロジスティクス・ネットワークの杉戸物流センター(埼玉県北葛飾郡)と同大阪埠頭物流センター(大阪市)への導入を皮切りに、順次導入センターを拡大していく。

「トラック事前予約システム」は、物流センターごとに設定された時間帯別の入出庫可能枠に対して、トラック側(荷主や運送会社)が入出庫の希望時間を予約できるもの。これによって順番確保のための待機が不要になる。

併せてトラック側から積荷明細(運送依頼書や送り状)を物流センター側に事前送付することで、これまでトラックが到着した後に行っていた、運送会社の照合やオーダーの照合を事前に行うことができ、トラックの到着からトラックバースへの誘導をスムーズに行うことができる。

先行導入する杉戸、大阪埠頭の両センターは比較的、大口顧客の比率が高いセンターとなる。8月から運用テストを始めていたが、これを本格導入に移行する。まずは入庫が対象となる。今後センターの実情によって出庫に関しても検討していく考えだ。

トラック待機問題とは、物流センターでスムーズな荷下ろしや積み込みが出来ないためドライバーが長時間の待機・拘束を余儀なくされている問題で、社会的な課題となっている。その原因の一つとして挙げられるのが、物流センターに到着した順番で入出庫の対応を行っている業界の慣習だ。

トラック(荷主)側は物流センターの営業開始前にセンターに到着し、早い順番を確保するために待機しているという状況が発生している。一方、物流センターは限られたトラックバースに必要な作業員を配置しているものの、朝などトラックが集中する時間帯には、トラックの台数が入出庫作業の処理能力を超え、トラック待機を発生させている。また例えばA社からB社に商品を納品するとき、トラックを手配しているのはA社だが、冷蔵倉庫にはB社名義で入庫されるなど、寄託者とトラックを手配する運送荷主が違う場合があり、物流センター側では何時にどこの運送会社のトラックが何を積む(積んでくる)のか分からないことから、事前の調整が困難な現状もあるという。

今回のシステム導入は低温物流業界では先駆的な取り組みとなる。同社は「荷主・運送会社との連携のもと、ニチレイロジグループは本システムの活用を通じて、トラック待機問題緩和に寄与することを目指していく」としている。

〈冷食日報2017年10月16日付より〉