〈2018年京果食品方針〉ミャンマー事業本格始動、既存客との関係性を密に

京果食品・太田垣公一社長
今期(18年3月期)の売上高は不採算取引の見直しに引き続き取り組んだことなどの影響もあって、前期比約2%減で着地する見込みだ。利益面では、在庫の削減や配送の効率化を進めたことで、増益を見込んでいる。16年に開始したミャンマーでの凍菜事業は、天候不順などの影響で計画より遅れが出たものの、現地農家とのコミュニケーションがさらに深まり、状況がより見えるようになってきた。生産品目はホウレン草、サトイモ、オクラ、インゲンなどで、品質の良いものが出来てきている。

今期は約1,100tの取り扱いを見込んでおり、来期も2,000tは確保できるだろう。主要品目のほか、新たな野菜に挑戦したいとも考えているが、まずは現地の農家との信頼関係をより深めることが肝要だ。2年間苦労したが、ようやくレールが出来つつある。

採算が合うにはまだ2~3年かかるだろう。なにしろミャンマーでの事業は全てが初めてづくしなので、長い目で見ていかなければならない。現地経済誌で巻頭特集を組まれるほど注目されており、是非とも軌道に乗せたい。ベトナムに関しては、天候不順の影響もあり、取扱量は1月~12月で3,000tを下回るが、経営努力により計画通りの着地で終わることが出来そうだ。また、中国も順調に推移している。国産品に関しては、北海道と九州産の商品を扱っている。台風の影響もあって九州のホウレン草の収穫が遅れているが、4,000tは確保できるだろう。

社長就任以来、在庫、利益、品質、営業活動、人材育成の5つの項目の適正化を掲げている。売り上げ面以外では、計画以上の結果が出てきており、今の時代に適した組織体制が構築出来てきた。課を中心とした体制にし、課長に責任を持たせて社員の意識向上を図ってきたことで、責任ややるべきことが明確になった。一方で、報・連・相の徹底にも引き続き注力する。当たり前のことを当たり前にできることこそが、肝要だ。

また、昨年4月に生鮮事業推進部を立ち上げ、全ての課で生鮮も取り扱えるようにした。凍菜と生鮮の両方を扱えることで、顧客の利便性向上につながると考えている。まだまだ立ち上げたばかりだが、数年後には実を結ぶだろう。

来期は、引き続き得意先との不採算取引の整理に取り組むが、今期の着地見込みよりは多い予算を組む予定だ。また、新規開拓に注力しつつも、既存客との関係をより密にしたいと考えている。共同で商品開発をするなど「取り引きから取り組みへ」と深化させていきたい。

〈冷食日報 2018年1月16日付より〉