カネ美食品18年3月期、テナント事業堅調もFM向け外販事業で苦戦し大幅欠損

冷食日報 2018年5月23日付
カネ美食品の18年3月期業績(非連結)は、売上高は前年比2.2%増902億3,300万円と増収だったが、外販事業の主要顧客であるファミリーマート(FM)とサークルKサンクス(CKS)の統合に伴う製造面での混乱などあり、人件費・物流運賃などが大幅に増えてしまい、営業損失は前期比16億6,500万円減の△11億6,700万円、経常損失は前期比16億4,400万円減の△10億6,200万円、当期純損失は前期比14億4,600万円減の9億3,200万円と大幅減益で欠損となった。22日、都内で三輪幸太郎社長らが出席し、決算説明会が開催された。

セグメント別で【テナント事業】(=SM、百貨店、駅ナカなどに計290店舗出店)は売上高1.7%減440億3,000万円、営業利益4.3%増17億1,000万円と減収・増益。売上の内訳はユニー店舗が2.6%減366億5,900万円、その他店舗が3.3%増73億7,000万円。ユニー店舗の閉鎖などで店舗数が前年比8店舗減となり減収だったが、利益面では閉店店舗で不採算店が多かったこともあり増収で、総じて堅調に推移した。

【外販事業】(=FM、鉄道系CVS への弁当、おにぎり等製造および生協の夕食宅配弁当製造)売上高6.2%増462億0,300万円、営業損失△28億7,800万円(前年は営業損失△11億3,300万円)と増収・大幅減益。

売上高の内訳はFMが8.0%増418億4,900万円、鉄道系CVS が11.9%減20億5,000万円、宅配が2.5%減20億2,200万円、その他が18.8%減2億8,100万円。

FMとCKSの統合により売上高は大きく増えた一方、計画には及ばなかったことによる稼働率低下、統合時の製造現場の混乱で、統合当初に派遣社員で対応したことによる人件費増に加え、習熟度の低さによる生産効率低下、物流運賃が8億円以上増加するなどの要因が重なり、大幅欠損となった。

〈冷食日報 2018年5月23日付より〉

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