〈ミャンマー事業が本格稼働、今期は1,600tを計画〉
京果食品(京都市下京区)の前期(18年3月期)実績は、売上高こそ前年比3%減と減収となったが、営業利益は25%増の2億5,000万円と2期連続で過去最高益を更新した。この2年間、不採算取引を見直すなど、「在庫」「品質」「営業」「人材」の適正化を推進し、「これまでの無駄が省けたことが増益につながった。『適正化』を進め、会社の足腰をしっかりさせないとこれからのお客の要望に応えられない。ただ商品を並べて買ってもらう時代は終わった」(谷口泰正取締役営業統括本部長)。

売り上げの約90%を占める前期の冷凍野菜取扱数量は、前年比5%減の3万9,000tとなった。中国産が約半分と最も多くを占める。葉物野菜を多く取り扱い、最も多いのがホウレン草、このほか小松菜、チンゲン菜、ブロッコリーやポテト類も扱う。次いで国産品が約4,000t、ベトナムが3,000t弱と続く。

数社と共同出資して開始したミャンマー事業(ミャンマー・アグリ・フーズ、MAF)は昨年から稼働を開始。ただ、乾季に入る11月にホウレン草を収穫予定だったが、スコールなどの天候不順で計画数量は確保できなかった。ホウレン草の取扱量は今年3月までで約150t。オクラやサトイモも含め、トータルでは600tとなった。今期は1,600tを計画。ホウレン草、サトイモ、オクラのほか、むき枝豆やインゲンを取り扱うほか、京都のうまい菜を試作するという。「ミャンマー事業は新産地ということで不安もあったが、味や色もよくお客からの評価も高い。非常に良いものができている。今後の方向性もようやく見えてきた」(谷口本部長)とし、早急に3,500tまで取扱量を増やしていきたいとしている。

ベトナムは、ここ数年組織改革を推進してきた結果、計画以上の利益を出すことができた。また、これまでサツマイモをメインに扱っていたが、今期から本格的にナスの取り扱いを開始している。今期も前期並みの約3,000tの取り扱いを計画しているが、マーケットの動向を見ながら、工場の方向性を変えていくなど、経営刷新したことから新たな取り組みを積極的に展開していく方針だ。

国産品に関しては、北海道は順調だが、九州のホウレン草がこの春は減産で思うように品物が入ってきていないのが現状だという。リスクヘッジのため、茨城や岐阜などとの信頼関係を築いて、新たな産地の野菜も今後増やしていく見込みだ。

今期の計画については、増収増益を計画。「ようやくここ数年進めてきた『適正化』がひと段落してきた。今期は、減収続きだった売り上げを獲得していく」と意気込む。具体的な施策として、既存顧客との関係をしっかり維持しつつ、依然としてシェアの低いお客にも注力し、京果食品ならではの特色ある商品を拡販していく。営業スタイルも変えていく。「顧客のニーズに合致した提案をいかに増やせるかが鍵」とし、「取り引きから取り組みへ」と深化した営業スタイルを模索する。

また、人手不足に対応した筑前煮や肉じゃがといった完全調理済み商品が既に定着しているが、展示会で出た意見などを参考にしつつ、新たな調理済み商品を開発中だ。和洋問わず、バリエーションを増やしていく。また、前期から本格的に加熱の必要のない無加熱摂取商品の取り扱いをスタートした。ラインアップは、ホウレン草、菜の花、ブロッコリー、枝豆、オクラなど。人手不足の中、顧客からの要望が多いため、柱のカテゴリーに育てていく。前期は約1,000万円の売り上げだったが、今期に入って外食や惣菜店からのニーズがさらに高まり、採用も増加していることから、最低でも前期比200%の売上げを見込む。

〈冷食日報 2018年6月22日付より〉

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