極洋 家庭用冷食で新展開、つけ麺・炒飯・上質おかず

新カテゴリー商品「直火炒め炒飯」「煮干し豚骨醤油つけ麺」
極洋として家庭用冷食の新分野となるつけ麺と炒飯のパッケージが明らかになった。28日に都内ホテルで開催された「キョクヨー2018年展示商談会」(極洋東京支社、極洋商事共催)で公開された。これまでのお弁当商品よりも高価格帯のおかず商品も公開した。

新カテゴリーは「直火炒め炒飯」(380g)と「煮干し豚骨醤油つけ麺」(350g)の2品。炒飯はすでに一部量販店で留型商品として販売を開始している。つけ麺も9月1日から一部量販店の留型として展開する予定。今後、販売動向を検証しながら来春の本格展開を目指す。なお生産工場はそれぞれ国内協力工場。

新おかず商品は「えびから」(6個90g)と「えびカツ」(4個120g)の2品。えびからは既存の「うま塩えびから」(6個78g)よりも使用するエビを3倍に増やし、1個当たり重量を大きくした。9月1日から一部量販店で販売を開始する。想定売価は178~198円の価格帯を見込む。

新おかず商品「えびから」「えびカツ」

新おかず商品「えびから」「えびカツ」

〈極洋東京支社4~7月は3%増収 冷食が17%増と伸長 極洋商事は9%増収 寿司、居酒屋ルートとも販売増〉
極洋東京支社と極洋商事は28日、「キョクヨー2018年展示商談会」開催に際し記者会見を開き、松行健一常務東京支社長と酒巻俊幸極洋商事社長がそれぞれ事業概況を説明した。極洋東京支社の4~7月の事業概況は売上高が前年比3%増の254億円。利益面では原料コストの上昇、物流経費の増加によって「収益性改善の課題が残った」(松行常務)。

松行健一常務東京支社長

松行健一常務東京支社長

部門別に見ると、水産加工部門は前年比3%減(目標比1%減)。カニ、チリ銀サケ、カラスカレイの供給がひっ迫した。一方で“高値疲れ”で相場が下方修正されたバナメイエビ、ギンダラは需要が回復しているとした。「各魚種ユーザーのニーズを汲み取った加工品を中心に据え、相場を見極めつつ値ごろ感のある商品提案をしていく」方針だ。

冷凍食品部門は前年比17%増収(目標比5%増)と大幅に伸長した。業態別に生協ルートは順調。外食・中食は取引先ごとに濃淡はあるが比較的順調。寿司ルートは中小量販店惣菜、回転寿司も濃淡はあるものの14%増と伸長。大手量販店は新規導入で定番化比率が高くなったことで17%増と伸長。CVSルートは新規商材の投入や大型商材ウナギの伸長もあり、26%増と大きく伸びた。

首都圏を中心とした外食直販部門会社である、極洋商事の4~7月は売上高9%増、経常利益は減益。

加工筋は4%増。主力のホッケが干物製品の販路拡大によって売上げを伸ばした。「世界的な水産物需要の増加によって、環境は厳しさを増している。引き続き業界のゼネラリストを標榜して、漬け魚、惣菜メーカーへ水産原料、加工品の末端販売戦略を強化する」(酒巻極洋商事社長)。

酒巻俊幸極洋商事社長

酒巻俊幸極洋商事社長

寿司産業ルートはマグロ製品の販売拡大によって、売上げは前年を上回った。利益面では減益。サーモン、イクラ、イカなど主要商材の原料高によるコストアップを販売価格に転嫁しきれなかった。

総合居酒屋チェーンは増収。「店舗閉鎖や肉業態への転換が進んだことで、魚商材の消費自体は減少しているが、当社としては新規導入商品が増加した」。レストランルートは前年並み。集団給食(老健・宅配弁当)ルートは増収となった。

「“魚の極洋”を武器とし、顧客の変化に対応して肉・野菜類の取り扱いも積極的に進める。メーカー機能だけでなく、卸売の機能を兼ね備えるからこそ発揮できる機能を活かして売上げ規模の拡大を図り、東京支社との連携を取って極洋グループ全体に占める首都圏の売上高構成比アップを目指す」と話した。

〈冷食日報 2018年8月29日付より〉