〈食の名脇役から主役へ〉
冷凍食品新聞協会(本社など10社加盟)は12日、キユーピーの長南収(ちょうなん・おさむ)社長を招いてゲスト懇談会を東京で行った。長南社長はグループ経営の基本方針、16~18年度中計(8次中計)の進捗状況、グループ成長の国内外テーマ、冷食事業の現況等について語った。長南氏は17年2月に社長就任。山形県鶴岡出身、鹿児島大学卒の62歳。

まず、長南社長はグループ経営の3つの基本方針について、「キユーピーは今年99年、12月から始まる19年度に100年企業になる」とし、方針は〈1〉ブランド、商品を磨き、理念を大切にした経営を改めて実践、〈2〉卵黄だけで作るリッチなマヨネーズでスタート、調味料、タマゴ、サラダ・惣菜などの諸事業もマヨネーズを起点にしているが、「人口減の時代のこれからは『食の名脇役から食の主役』を実現する。タマゴ事業、カット野菜、サラダ・惣菜を中心に即食性ある主役商品を業務用から家庭用でも活躍させる」。〈3〉次の100年へ未来責任を果たす企業を目指し、「次の100年も新市場の創造を追求する」とした。

また、16~18年度の8次中計の方針は「グループの新たな挑戦で、飛躍的な成長を実現する」ことにしたが、「持続的成長は引き続き出来ている。スピードアップもしたが、飛躍的な成長までには至らず」と分析。

同社の8次中計の4コンセプトは「〈1〉グループ協働を加速し、グループの力を最大限発揮〈2〉調味料事業の盤石化を進め、他事業の利益創出力を高める〈3〉中国・東南アジアの成長を加速しつつ、新規エリアに布石を打つ〈4〉投資は国内調味料事業と海外展開に重点を置く」。18年度(11月期)の売上計画は前期比3%増5,800億円、営業利益6%増330億円。これらの数値目標は「達成できる」とした。17年度売上高は5,617億円。事業別には調味料1,504億円、タマゴ1,005億円、サラダ・惣菜1,155億円、加工食品466億円、ファインケミカル106億円、物流システム1,312億円。

〈冷食・チルド事業の販売ウエート8.5%を早期に15%へ〉
キユーピーの冷凍食品事業はチルドを含めて365億円、物流事業を除いた食品事業4,305億円のうち8.5%を占める。長南社長は「今後伸長するのはこの市場。当社は食の主役化をタマゴ、サラダ・惣菜で進めるが、現況の業務用主力の事業を家庭用に大きく広げる。現在の8.5%を9~10次中計時には15%」の目標を語った。

〈中国・東南アジアの成長を加速、海外事業19年度10%、いずれ20%に〉
グループ成長に向けた国内での取り組みテーマは、まず「健康寿命の応援」。「得意なタマゴとサラダで健康寿命の延伸を応援する。女性は平均寿命と健康寿命のギャップが約12年、男性は約9年あるが、我々グループのビタミン・ミネラル、食物繊維の野菜、良質なたんぱく質の卵、脂質・エネルギー源のマヨネーズが延伸に貢献する」と説明したほか、「食の主役化、人手不足への対応、野菜摂取の促進」をテーマに挙げた。

海外展開では「中国・東南アジアの成長を加速する」ことを最重点に掲げ、「海外事業の売上ウエートを現在の8%弱から19年度は10%、9次中計段階で15%、10次中計の中で20%計画が掲げられるように、成長スピードを加速する」とした。中国ではマヨネーズ生産を中心に、現在北京、杭州、南通の3工場あるが、広州に4工場目を計画。東南アジアはマレーシア、タイ、ベトナム、インドネシアで展開、各国に1工場を持ち、フィリピンに事務所を開設、ミャンマーには隣国からマヨネーズを輸出、インドにもマレーシアから輸出している。

長南社長は「中国・東南アジアのいずれも二桁伸長しているが、サラダを食べる食文化を提案し続けることが大事」と述べた。

〈冷食日報 2018年10月16日付より〉