〈香川専務「方向性を踏襲、持続的利益成長を目指す」〉
テーブルマークは10日、都内で年末記者会見を開いた。2019年1月1日付で退任し日本たばこ産業の食品事業担当執行役員に就く川股篤博社長とテーブルマーク社長に就任する香川雅司専務執行役員が登壇した。香川専務は川股社長の在任3年間の方向性を踏襲して持続的な利益成長を目指す、と今後の事業方針を示した。

会見の中で川股社長は、JTの加工食品事業組織再編の経緯について説明した。JTは来年1月1日付で食品事業企画室を設置し、加工食品事業会社の持株会社であるテーブルマークホールディングスを解散する。それによりJTの食品事業企画室が冷食・常温事業のテーブルマーク、調味料事業の富士食品工業、ベーカリー事業のサンジェルマンを管轄することになる。食品事業企画室では加工食品事業の方向性や全体戦略の企画立案とガバナンスを担う。

組織再編の背景について川股社長は、第1に持株会社の役割が終わったことを挙げた。旧加ト吉がもっていた食品と直接関係のないノンコア事業の整理や訴訟が今年度終了したという。

第2にJTがタバコ事業以外に様々な取り組みを展開する中、保有する海外ネットワークを活用して事業展開する方針があると説明した。「テーブルマークグループは海外展開を含めて大きい事案は手掛けられない」と、JTの食品事業の海外展開に含みを持たせた。成長分野として食品事業は「広がりの大きい分野」と位置付けられるのではないかとの見方を示し、今後予想される世界的な食糧不足のほか、高齢化による食の変化において「メーカーとしてのコミュニケーションや届け方など貢献できるところはますます広がる」などと話した。他方でテーブルマークの事業について「設備投資を含めて今後資金も必要となる。将来の領域にはJTとして資源を投入していく」考えだ。

テーブルマーク社長を退任することについて川股社長は次のように述べた。「3年での退任となるが、JTに戻って各事業のバックアップと将来戦略の選択肢を検討する。3年間で仕込んだことをベースに香川(次期)社長に事業を発展させてほしい。香川(次期)社長は食品の経験が深く、中国事業を含めて修羅場も潜り抜けてきた人物。事業全体を見渡せるのは彼しかいないと指名した」香川専務は19年度の方針と新組織体制について説明した。「テーブルマークは来年10周年を迎える。テーブルマークとなって人材育成を行ってきた。戦略をつくりスピード感をもって執行していきたい」と意気込んだ。

コスト上昇など外部環境が一層厳しくなるなかで収益性の向上を第一に位置付ける。具体的には〈1〉圧倒的No.1と目指し、ステープル(主食)、冷凍お好み焼・たこ焼に注力〈2〉最適生産体制の構築により獲得した製造基盤の最大活用によりトップラインをつくっていく〈3〉商品の差別化、製造技術の革新への取り組み――を挙げた。

注力商品は自社で製造ラインをもつ商品群となる。18年度には魚沼水の郷第二工場の新設、魚沼工場へのパックご飯ライン増設、お好み焼とたこ焼のライン増設――と設備投資を進めた。今後、工場の稼働を意識して事業運営を進める方針だ。また「食品のコモディティ化が進んでいる」ことから差別化、技術革新への取り組みを継続する。

来期の組織体制について新設部署について説明した。

販売事業部の下に新設する東京支社は、大規模市場の取り組みを効率的に強化する狙い。ロジスティクス統括部では原料・中間製品・製品とすべての在庫管理を行う。商品統括部は従来の商品開発部と調達部を統合した。「一体的運営によって製品の差別化、コストダウンにつなげる」。

海外事業推進部では来期においては日本からの既存輸出事業と中国の生産拠点の運営を管理するほか、将来の海外事業の方向性を立案していくとした。

〈冷食日報 2018年12月12日付より〉