帝国ホテルキッチンは来期(20年3月期)も売上高の2桁成長を目指す方針だ。今期は営業人員を増員するなど販売強化に取り組んだ。次期は開発の人員を増員するほか、市販用ルートの積極展開を図る。冷凍調理品や冷凍ケーキなどアイテムが充実してきた帝国ホテルキッチンブランド品を質販店や好立地スーパーに導入していく。

加藤直二社長が2月21日の新商品説明会で今期概況と次期の方針について説明した。

今期は基本方針として「飛躍への挑戦と新たな企業像づくり」を掲げた。具体的には営業力の強化・商品開発のスピードアップ・システム化による業務効率向上――を軸に、売上高10%増、売上高経常利益率5%という「かつてない高い目標に向かって取り組んだ」。

19年3月末の着地予想は売上高が前期比9.8%増、経常利益率5.1%とほぼ計画通り。売上高の内訳は高温品13%増、うち缶詰は横ばい、レトルト48%増。レトルトは特に、百貨店などのギフトが59%増と大幅に伸長した。1袋90gの小容量カレーが好調だった。

菓子は常温・冷凍とも好調で26.8%増。

冷凍・チルドは横ばい。百貨店ギフトは好調、生協やカタログギフトも着実に伸長する中、新販売チャネルとしてテレビショッピングも加わった。他方で市販用がメーンのマーガリンなどチルド商品はピーナッツクリームの苦戦でマイナスとなった。

経営基盤強化の取り組みとして今期、営業人員を2人増員、新機能を加えた統合システムに設備投資した。「会計の合理化も行い、業務効率化の成果が着実に出てきている」という。来期の基本方針として「自立成長に向けた基盤づくり」を掲げる。「今期の実績とそこから得た自信をもとに、自立して中長期にわたって成長できる基盤づくりに挑戦する。ここ数年間、実績を重ねることで、従業員のマインドも非常に前向きになっている。今後は中長期をにらんで取り組む余地が出てきたと考えている。あるべき姿として長期ビジョンも示しながら、一人ひとりの自立成長を促したい」とした。

人材投資(プロパー人材の確保)、EDI(電子データ交換)・ITなどシステム投資も積極投資して、生産性の高い事業への質的転換を図ると話した。

来期も引き続き2桁成長に挑戦する。好調な通販とともに、市販用ルートの拡大を図る。収益面については「物流費や人手不足によるコスト増は避けられないが、新商品を投入し売り上げを拡大することで吸収して増益を目指す」とした。

帝国ホテル130周年企画 次下期に具体化具体的施策としては5点挙げた。第1に帝国ホテルブランドを表現できる新商品開発。そのために開発要員を増員する。第2に市場分析・マーケティング力の強化。それにより同社のブランド価値など経営資源を広範囲に広げる。第3に市販用ルートの積極展開。「現状はマーガリンなどチルド品が中心だが、帝国ホテルキッチン(IHK)の冷凍品や菓子など品ぞろえが充実してきたことから好立地の売場に仕掛けていきたい」と話す。

市販用ルートとして20~30の小売りチェーンを候補に、首都圏を中心に帝国ホテルブランド商品へのニーズが見込める好立地店舗への導入を進める考えだ。

IHKブランドの売上高は今期45%増と伸長。売上構成比は昨年度7%から今年度は10%に拡大する見込みだ。冷凍パウンドケーキや冷凍調理品などの販売増加が貢献した。第4にシステム化の促進。これにより労働生産性を向上させる。昨年、統合システムを導入したが、これを活用することで生産性向上をさらに進める。

第5に帝国ホテル開業130周年に向けた企画。2020年に帝国ホテルが開業130周年を迎える。来期に向けてホテルと一緒に販売拡大につながる施策を協議している段階だ。次年度下期の実現に向けて取り組んでいる。

〈冷食日報 2019年2月27日付〉