「冷食日報」編集部はこのほど、冷凍食品を取り扱う食品卸を対象に2018年度の業績概況と次年度の見通しについてアンケート調査を行った。集計結果を見ると、回答のあった企業のうち6割超が冷凍食品の売上高(見込みを含む、以下同様)について前年実績を上回る結果となった。4年連続で増収傾向が続いている。ただし前年までのような大幅な増加基調にはブレーキがかかり、前年割れの事業者も目立った。一方利益面は前年までの増加基調から横ばい、減少の比率が増えている。物流コストや採用難という課題が前年からさらに深刻さを増している。次期予想においては製品値上げや消費税率の引き上げが予定されているにもかかわらず冷食の成長を見込む企業が大多数を占めた。

冷凍食品取り扱い卸売事業者の動向アンケートは今年1月下旬~2月上旬にかけて実施した。

18年度の売上高と重点施策について聞いたところ、有効回答43社のうち、増収となったのは58%の25社。前年(67%)を下回る結果となった。横ばいは12%(前年18%)となり、増収と合わせて前年実績をクリアしたのは70%(同85%)となった。増加率は1~3%が増収の6割以上を占め、4%以上が半数以上を占めた前年からは減速している。

一方で前年割れは30%と前年(15%)の2倍となった。自然災害が多発したことも、特に業務用卸にとって逆風となった。

冷凍食品の売上高に焦点を絞ると、増収となった企業は63%で前年(60%)より3ポイント増加した。一方で前年割れは26%で、前年(17%)から悪化が見られる。

冷食の増収割合は全体の売上高よりも5ポイント上回ったが、前年に比べて伸び率の分布が大きく変わった(グラフⅠ※右の増減のみとは集計母数が異なるため、数値は一致しない)。「7%以上」の大幅増収が前年は21%と増収の中で最大の分布だったのに対して、今回はわずか3%にとどまった。「4~6%」の増加も前年の割合を下回っている。それに対して「1~3%」増加が45%と前年(19%)を大きく上回った。

冷食伸長率が最も高かったのはコゲツ産業(福岡)で12.0%増となった(18年9月期)。家庭用が85%を占めており、ドラッグストアを伸ばした。家庭用の弁当商品は苦戦したが、夕食商材やスナックが好調だった。

次いで松村フーズ(群馬)、協和商工(長崎)、ふくしま(埼玉)が6.0%増で並んだ。いずれも業務用を主体とした卸だ。協和商工とふくしまはシルバー施設、冷凍野菜が好調だった。ピアット(埼玉)、マルイチ産商(長野)もともに4%の増収と好調。学校給食卸のピアットは国産冷凍野菜の取り扱いを伸ばした。マルイチ産商は惣菜ルートを伸ばした。

3%増の泉平(兵庫)、ショクカイ(東京)、濵村屋(静岡)、にしむら(山形)、島根さんれい(島根)――も業務用卸。家庭用卸が上位を占めた前年とは状況が一転した。

冷食の販売利益を見ると「増益」と回答したのは28社で有効回答45社のうち33%。冷食が増収となった割合が6割以上だったことを勘案すると低く、前年(49%)と比べても市場環境の悪化を見て取れる。「減益」は22%で、前年(12%)より大幅に増加している。

冷食の販売利益率で見ると「上昇」は30%で前年並み。「低下」は32%で前年(19%)から大幅に悪化している。今春は複数のメーカーが製品の出荷価格の改定を予定しているが、期中秋口にもすでにいくつかのメーカーが値上げを実施している。保管・物流費や人件費の上昇もあり、利益確保が大きな課題となっている。

18年度の施策について回答を見ると「物流費の削減」「新規獲得・営業力の強化」「利益率の向上」が複数挙がった。「県外業者が増えていく中、NB品の売り上げ・利益が減少していくのに対して、PB品を作って売上げ・利益をカバーする」といった地域卸の意見もあった。

〈冷食日報 2019年3月8日付〉