〈三菱食品・小野瀬卓取締役常務執行役員・後編〉

――フードサービス分野の取り組み

2018年4月、ホテル向け取引を主体とする酒類卸の都貿易と、リクエ事業を統合して「クロコ」を発足させた事により、リクエのお客様に酒類を本格的に販売出来るようになった。リクエの得意とする料飲店は酒類の売上比率が高いので、酒類の販売はリクエ事業の幹を更に太くする事を意味しており、当社酒類事業本部の協力の下、引き続き注力中である。

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一方で、まだこれからではあるが、旧都貿易が得意とするホテル向けに、リクエの食材を売り込んでゆく。昨今インバウンド需要が伸びる中で、ホテルでは人手不足からビュッフェスタイルが増えている。膨大な種類の食材を常時品揃えしているリクエの強みが生かせるものと期待している。

リクエは首都圏に限定した事業を行ってきたが、対象エリアを拡大する為に、関東近郊エリアの業務用卸様の数社と業務提携し、両社にメリットを生む関係を大事にしてきた。昨年も新たに提携させて戴いた業務用卸様があった。又、関東圏以外でも、全国主要都市に於いて、各エリアに強い基盤をお持ちの業務用卸様にリクエのシステムを使って戴く等、今後提携先を広げ、増やしてゆくつもりだ。

2019年4月に、原材料資材の販売を行っていた複数の部署を一本化して、フードサービス本部内に専任部署を新設し、原材料資材の販売を強化する事を明確な方針とした。多様な取引が混在しているが、事業内容を整理し、方針が明確となり、着実に成果を出しつつある。

2019年夏には当社として初めて業務用の展示会を行った。総合展示会のダイヤモンドフェアは主に小売業様を対象に行ってきたが、業務用の世界は食材・メニュー提案や専用システムの提案に力点を置くべきであり、やはりダイヤモンドフェアとは舞台を変えて展示すべきだとの想いが強かった。フードサービス本部が発足3年目の2019年、ようやく実現出来た。今年は2019年以上に充実した内容で開催する計画だ。

――中食市場の現状と貴社お取り組み

中食・デリカ市場は大きな伸長を続けてきたが、ここへきて伸び率は鈍化してきた。CVS・SMの業態を問わず、小売業様の各社が総菜・デリカを他社と差別化すべき最重点強化分野と位置付けて、相当なレベルアップを既に実現している為、デリカを強みとする小売業様ですら、従来同等の高い伸びを維持する事は容易でない。

その様な状況下、得意先様から当社に寄せられる要求の難易度は従来以上に高いものとなる事は当然であり、当社およびデリカを担当する社員は提案内容とスキルをグレードアップする必要がある。当社の全営業部門の中でも、デリカほど社員「個」の力量次第で取引の成否が左右する事業はないと思っている。

勿論、社員個々の力量を底上げする為には、様々な施策・手法が必要であり、組織的な情報の共有も欠かせない。当社では、デリカ人材の強化を過去数年間、重点課題と位置付け、新卒の配属、他部門からの人材シフト、中途採用など、人員の増強を積極的に行ってきたが、今後は如何にして当社ならではの、独自の提案能力を備えるかが重要なテーマであり、デリカ本部に専任組織を設け、様々な機能開発の研究と検討を重ねている。

〈冷食日報2020年2月18日付〉