コープこうべ増収増益、コロナの影響などで新規宅配申込者は2倍以上に/2019年度決算

生活協同組合コープこうべの2019年度決算は、供給高(売上高)が前年比0.8%増の2,460億円、供給事業剰余金(営業利益)が3.5億円増の22.2億円、経常剰余金(経常利益)が3.5億円増の26.9億円、当期剰余金(当期純利益)が6.0億円増の17.0億円で、増収増益となった。10月の消費税増税による消費の冷え込みなどの影響を受けたものの、第4四半期の企画強化に加え、新型コロナウイルス感染拡大による消費動向の変化が増収に貢献した。

事業別では、店舗事業は前年並みの実績だったが、宅配事業が1.4%増となり、供給高を押し上げた。2019年度は注文した商品を仕事帰りや買い物ついでに店舗で受け取ることができる「めーむひろば」の受け取り曜日や、店舗以外でも受け取れる「地域めーむひろば」の拠点を拡大した。

店舗事業では「コープ西明石」(明石市)を改装、これまで宅配で若年層に人気の冷凍総菜(フローズンデリ、ワンプレート惣菜、冷凍パン)を導入したほか、冷凍離乳食や幼児食に活用できる食材「CO・OPきらきらステップ」を集中展開した。改装後の実績は3月末までで前年比12.4%増と好調に推移している。

〈新規宅配申込者は2倍以上に〉
新型コロナウイルス感染拡大の影響で2月下旬ごろから利用が伸び始め、臨時休校要請や外出自粛要請の影響で、組合員単価が大幅に増加。今期に入った4月は全店ベースの組合員単価が13.4%増となった。カテゴリー別では、冷凍食品(35%増)、レトルトカレー・パスタソース(20%増)、米(26%増)が大幅に売り上げを伸ばした。

宅配事業も利用者が増加。3月末で利用件数4.5%増、新規申込数17.8%増となったが、4月に入ってさらに急増し、新規申込数は単月で前年の2倍以上になった。

今期は「コープ西宮南」(西宮市)店舗の移設建て替えや、改装に伴う休業、営業終了などで全体では減収減益を計画している。「コープ西宮南」は2021年春頃、宅配センターの隣接地に移設するため、店舗と宅配のそれぞれの強みを生かした新しい連携のあり方にチャレンジするとしている。

〈冷食日報2020年6月15日付〉