業務用冷凍食品の市場環境は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて急変した。外食や宿泊施設の需要低迷により、業務用市場の回復は見通せない状況だが、集客力を高めている量販店を中心とした惣菜向け提案やシルバー施設向けの底上げ、ウィズコロナで新たに生まれた、外食のテークアウト・デリバリー向け提案など方向性が定まった。

2021年春季新商品は主要な業務用メーカー13社から合計155品(キユーピーは冷凍品のみをカウント)が発表された。新型コロナの業務用市場への影響が見通せない中、20年秋は業務用新商品の定期発売を見送るメーカーもあるなど、商品数(13社93品)は例年を大幅に下回った。2021年春は各社とも外食・ホテルの落ち込みをカバーする施策を打ってきた。インバウンドの期待が高まっていた昨年春(13社169品)には及ばないまでも、商品数はそろったといえる。

ニチレイフーズの予想では2021年度の業務用冷食市場は2020年度比で回復するものの、2019年度比では4%減にとどまるとされる。一方で末端市場が変化し、外食の代替品質やデリバリー適性など業務用ユーザーに新たなニーズが生まれている。ユーザーの課題に応える新たな商品が市場に求められている状況もある。

業務用冷食にとって2021年度は、第1に惣菜市場やシルバー給食を伸ばすことが課題だが、大きく変化する外食産業の課題解決に果たせる役割も大きいと見るメーカーは少なくない。

2021年春の各社新商品数を見ると、ヤヨイサンフーズが新商品とリニューアル品の合計で71品と突出した。昨年11月に稼働した気仙沼工場関連が、そのうち39品を占める。同新工場で生産する新商品としてフローズンチルドの「レンジでサカナ」シリーズを発売した。

ニチレイフーズはコロナ禍においても新商品を安定して供給し続けており、今春も新商品で21品そろえた。外食産業は経営難により人手不足が強まると見て「手作りを超える冷凍食品の実現」を一つのテーマに据えている。

日本水産も新商品を19品そろえた。チルド帯で販売するフライパン調理のフライ商品を新提案した。ヤヨイサンフーズも同様だが、集客力を高めている量販店向けに、買い置き需要をこたえることが、業務用でも焦点となっている。味の素冷凍食品は新商品・リニューアル品それぞれ14品そろえた。外食サービスの変化に対応して、スイーツ類を中心に個包装やコンパクトサイズ品を拡充した。

〈冷食日報2021年3月25日付〉