本紙が毎年集計している2016年の輸入酒銘柄別ランキングがまとまった。ここでは、財務省関税局が発表した通関数量(左表)から、昨年の輸入酒業界を振り返ってみる。2015年は数量微減、金額は5%増となったが、2016年は、数量6%減、金額8%減となった。

ビールは、前年の3%減を上回る5%減。業務用市場を中心に伸長してきた海外ブランドビールだが、近年盛り上がりを見せるクラフトビールをはじめ、季節限定・地域限定ビールなど、国産も含めたビールカテゴリーで選択の幅が大きく拡大。市場は細分化されている。国産ビールでは、大手4社が基幹商品への集中を表明しているが、味やスタイルなど多様な選択肢が付加価値となる海外ブランドビールで、どうブランド価値を伝えていくかが問われるだろう。麦芽発泡系・新ジャンルは3年連続のマイナス。

国別に見ると、11%増のメキシコが、伸び率も含めて堂々のトップ。2009年までメキシコ、アイルランド、オーストラリアからの輸入規模は550~580万Lとほぼ同レベルだったが、16年はメキシコが2位ベルギーの二倍規模にまで拡大した。上位国でほかに前年を上回ったのは、アメリカとタイ、中国。CIF単価が上昇したのはドイツと韓国のみ。

ワインでは、昨年に続き、今年もチリがトップに立った。関税低減による価格優位性に加え、わかりやすく、品質も数量も安定したチリワインは、日本人の食卓にすっかり定着した。

ただ、国内瓶詰ブランドの増加で、2L以下のボトルワインはアルゼンチン以外数量減。なかでもアメリカは、ボトルワインが3割減となったものの、バルクワインが53%増と急拡大。バルクへの移行を受け、アメリカのボトルワインのCIF単価は1590円と、上位国では群を抜く高値となった。

国産ワインに使われることもあるバルクワインと、「2~150L」の大容量ワインをボトルワインに足してスティル全体で見ると、チリは0.3%増。スティルワイン全体に占めるチリ産の割合は33%で、日本における輸入ワインの3本に1本がチリワインということになる。

その他の上位国は18%増のニュージーランド以外、前年を下回った。ただ、ボトルワインでも42%の大幅増を記録した11位のポルトガルが、スティル全体でも38%増と伸長。ポルトガルはCIF単価がスペイン、チリに次いで安く、10位ニュージーランドの3分の1だ。価格だけでなく、優しい味わいで和食にも合わせやすいポルトガルワインのこれからに期待したい。

好調が続くスパークリングワインは、4%増。フランスが7年ぶりに前年を下回ったが、フランス以外の上位5カ国は前年超え。なかでも、EPAにより関税が低減したチリ、オーストラリアの2カ国が2ケタ増と大きく伸ばした。一方、メキシコ、アメリカ、アルゼンチンと北中南アメリカは大幅減となっている。

CIF単価で見ると、フランスを除く上位国はすべて減少した。

国産から火がついたウイスキーブームで前年は24%となった輸入ボトルウイスキーだが、16年は5%増と微増にとどまった。スコッチは18%増と好調が続いているが、米国積み・バーボンの2ケタ減が響いた。国産ウイスキーにも使用されるウイスキー原酒は36%増。バーボンウイスキー原酒も約7倍規模に拡大した。

スピリッツはラムが2%のマイナスに転じたが、前年2%減だったジンが8%増、5%減だったウォッカが8%増など、ホワイトスピリッツが好転。リキュールは3年前、韓国産RTsの急拡大で市場を広げたが、前年の13%減に続き10%減と縮小した。