世界で1つだけ「ホッピー」製造ライン増設、2020年へ向けて取組み強化 インタビュー ホッピービバレッジ・大森啓介統括ゼネラルマネージャー

昨年10月に製造ラインを増設し、今年の3月2月には瓶とP箱の形状リニューアルした「ホッピー」を製造するホッピービバレッジ。かなり大きな投資が続いているが、そのきっかけや今後の展望について、同社の大森啓介統括ゼネラルマネージャー(写真)にインタビューを行った。

–昨年10月のライン更新のきっかけは?

ラインの効率化と生産体制の拡充、バックアップ体制の整備が主な理由。2010年に通称「ウェストライン」と呼ばれている新社屋を建てて、そこで充填作業を行っていた。が開始された。「イーストライン」と呼ばれていた旧工場には、場所と設備こそあったのだが、老朽化やその他さまざまな理由で使用を控えていた。しばらくの間「ウェストライン」の充填機1本で充填作業を行っていたが、「ホッピー」という飲料は唯一当社だけが製造している飲料で、そのラインが1本だけというのは心許無い。加えて、ワンウェイびん(小売用)とリターナブルびん(業務用)の2つの瓶を1本のラインで詰めるというのは効率も悪くなる。出荷量は増えているにも関わらず、そのままでは量的にも限界が来てしまう。おかげさまでその後出荷量が増加し、将来を見据えて2014年に新ラインを増設することになった。そういった事情から2014年に石渡光一会長と美奈社長が「イーストライン」の更新の計画を練り、そして2016年10月に新ライン「NEO48」としての稼働が始まった。

新しいラインが稼働するまでにも苦労が山ほどあった。旧「イーストライン」は50年程前に造られたもので、光一会長が自ら工夫を重ね、改良に改良を加えてきたライン。図面に残っていない電気配線などが出てきた為、専門家チームが持てるすべてを結集して改良工事に臨んでいた。また、工場建屋にも容積的な限界があり、ラインをリニューアルする際ドイツのKHS社の本社にはでは一度断られている。否決となった。そこで同社日本法人の鈴木社長と日本を統括しているアジアが協力し、本社に掛け合い、ドイツにある本社から3Dカメラ部隊を日本に呼びよせた。これは特殊技術であり、アジアの極東の小さな工場であるホッピービバレッジにこの部隊が来ること事態が非現実的ことであったそこで同社日本法人の鈴木氏が特殊な方法で測量。そして3Dカメラで実測した結果、否決であった決定が覆り、本社から許可が下りたのだ。こうして新ライン「NEO48」プロジェクトはドイツとアジアと日本を結び、更には世界の醸造機械のリーディンカンパニーであるKHS社の精鋭たちの一流の技術と知識と情熱ではじまった。を行い、本社を説得。結果的にラインを新しくすることができた。