関西地方を中心に大きな爪痕を残した台風21号だが、本紙で同地方の酒類メーカー、団体、量販店などに電話でヒヤリングを行い、5日15時現在の被害状況をまとめた。

大阪府吹田市のアサヒビール吹田工場では設備の損壊等は発生せず、製造や出荷に影響は無いとしている。同じグループのアサヒ飲料明石工場(兵庫県明石市)も同様。

神戸市北区のキリンビール神戸工場と滋賀県多賀町の滋賀工場(キリンビバレッジ滋賀工場含む)では生産設備に被害は発生せず、製造・出荷共に通常通り行われている。

大阪府島本町にあるサントリー山崎蒸溜所は場内メンテナンスのため5日の午前中の見学を休止とした。京都府長岡京市の〈天然水のビール工場〉京都ブルワリーは5日の工場見学を臨時休業とした。

今回の台風では大阪湾沿岸で高潮の被害が多く発生したが、灘五郷の各蔵でも被害が確認されており、神戸市東灘区に本社を構える白鶴酒造は、本社および、灘・魚崎工場に被害はなかったが、製品倉庫が高潮により膝上まで冠水。出荷には問題ないとしているが、物流に関しては一部の運送会社に被害があり、現在確認中とのこと。菊正宗酒造については、異常なかったとしている。神戸市灘区の沢の鶴は、設備や商品には被害なし。

兵庫県西宮市では、日本盛は、本社の「日本盛」の看板が一部破損し、撤去する予定。また、一部でトタン屋根の破損や植木が倒れる被害が見られた。物流センターも一部浸水。大関は、特に被害はないとしている。辰馬本家酒造は、本社の瓦が飛ぶことなどがあったが、大きな被害は発生していない。ただし、提携物流センターが停電し、4日、5日の両日は出荷できず。5日午後に停電から復旧し、6日以降は出荷可能としている。

兵庫県伊丹市の小西酒造は、ビールの製造設備やショップを併設する「白雪ブルワリーレストラン長寿蔵」が5日の午前時点も停電が続いている。本社は稼働しており、工場も緊急電源で代用しているが、仕込水に使用する井戸場は離れており、停電でポンプが復旧しておらず対応中だという。

京都市伏見区の月桂冠は昨日、製造は事前にストップしていた。設備の被害については確認中としている。黄桜は、製造に支障をきたすような被害はなかったとしている。宝酒造は強風の為一部設備が破損したものの、操業に影響は無いとしている。

大阪府酒造組合は、加盟メーカー数社の屋根瓦が飛ぶ被害の他、大阪湾沿岸の蔵元では蔵の壁が剥がれるなどの被害を確認。ただし、製造した酒類や人的な被害は現状聞いていないとのこと。

和歌山県酒造組合連合会は県中部の蔵元で屋根が飛ぶなどの被害を確認しているが、5日15時現在で停電から復旧できていない地域もあり、被害の全容を把握しきれていないのが現状。

徳島県酒造組合は「風がかなり強かった」としつつも、加盟の蔵元に被害は無いとしている。

〈量販店では停電で営業見合わせも〉
兵庫と大阪を中心に店舗を展開する関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は4日、兵庫・大阪・奈良県下の全店を12~13時に閉店した。5日15時現在、兵庫2店、大阪1店の計3店が停電の影響で営業再開を見合わせている。また、一部商品の入荷も遅れているという。

生活協同組合コープ神戸(神戸市東灘区)では、小型店の「コープミニ」全店を4日の正午、営業中止した。その他の一部店舗でも、現場の判断で閉店時間を早める事態となった。5日15時現在、兵庫県の3店が停電のため営業を見合わせている。宅配事業については、台風が通過した4日から、中止することなく配送を続けているものの、暴風雨の影響で一部遅れが出た。また、兵庫県内の物流センターでも停電のため商品の納入が遅れ、5日15時現在でも、一部商品の宅配に影響が出ている。

ライフコーポレーションも4日、一部店舗が現場判断で閉店時間を早めた。5日現在、大阪6店、兵庫2店の8店が、停電のため営業を見合わせている。また、商品面ではカップ麺や水などが品薄状態となっているという。

〈酒類飲料日報 2018年9月6日付より〉