サッポロビールは24日、東京都中央区のIronbarkGrill&Bar にて同社が販売するオーストラリアワイン「ペンフォールズ」のトップレンジである「グランジ」の最新ヴィンテージのリリースを記念し、「グランジ」の垂直テイスティングを含めたセミナーを開催した。

セミナー当日はペンフォールズのブランドアンバサダーであるジュリー・ジル氏が講師として登壇。同社の歴史やワイン造りに取り組む姿勢などについて話したのち「グランジ」の2014年・2011年・2003年を含む5種のテイスティングを実施した。

セミナーに先立って挨拶を行ったサッポロビール首都圏本部ワイン第二営業部の松島史枝部長は「当社が“ペンフォールズ"を取扱い初めて3年目となるが、その間同ブランドのトップレンジである“グランジ"の魅力についてなかなかお伝えすることが出来なかった。本日は3ヴィンテージの垂直テイスティングを実施するので、本日のセミナーをきっかけにポテンシャルの高さを皆様にお伝えできれば」と話した。

〈「長期熟成」中止指示後も秘密裏に製造〉
ジュリー氏=ペンフォールズは1844年に、移民としてイギリスからオーストラリアに来た医師のクリストファー・ローソン・ペンフォールズ博士がサウスオーストラリア州マギルで患者向けの酒精強化ワイン造りを開始したのが始まり。彼の死後に妻のメアリーがテーブルワインの製造も始め、現在に至る。

「グランジ」は、1931年に当社に入社したマックス・シューバート氏が第二次世界大戦後にフランス・ボルドーのワイナリーを訪れ、その複雑味とバランスのとれた長期熟成のポテンシャルを秘めたワインと出会い、1951年から製造をスタート。しかし当時オーストラリアでは長期熟成ワインは評価されておらず、役員からは生産中止の指示も出ていたものの彼は秘密裏に生産を続け、1960年に長期熟成の魅力を発揮したファーストヴィンテージが評論家から高い評価を受けたため、以降正式に醸造を再開。現在では2002年からチーフワインメーカーに就任したピーター・ゲイゴ氏が更なる改善や新たなテクニックを開発し、ワインのクオリティを進化させている。

〈 様々な地域に多数の畑を所有、“柔軟性"確保し高レベルのクオリティを維持〉
当社は南オーストラリアのアデレードのほど近くにワイナリーを構えているが、ぶどう畑は様々な場所に所在している。他のワイナリーのフラッグシップ商品はその年のぶどうの出来具合によってはリリースされないということもあるが、当社の「グランジ」は1951年から毎年リリースをしており、そのクオリティも高いレベルで維持している。我々は天候に勝つことはできないが、様々な土地に畑を持つことで“柔軟性"を確保することで品質も保たれている。

〈当日試飲提供されたワインの特徴など〉
【ヤッターナ シャルドネ2012】 シャルドネ100%、フレンチオークのバリック(新樽率約60%)で8カ月熟成。冷涼な地域で栽培されたシャルドネを使用しており、フレッシュさやクリーンな酸味がしっかりと表れている。

【ビン389カベルネ・シラーズ2015】 カベルネ・ソーヴィニョン53%、シラーズ47%の割合で使用。「グランジ」の熟成で用いた樽を使っているため、通称「ベビーグランジ」とも呼ばれる。2つの品種がバランスの良い味わいを演出。パワフルで男性的な特徴を持った素晴らしいワイン。

【グランジ2014】 シラーズ98%、カベルネ・ソーヴィニョン2%。アメリカンオークの新樽で20カ月熟成しており、複雑な味わいやフレッシュさ、凝縮感や厚いタンニンの味わいが特長のワイン。飲みごろは2020~2045年。

【グランジ2011】 シラーズ100%。雨が多く寒冷な気候だったものの、当社の「柔軟性」が活きた年でもあった。まだまだ飲みごろではなく、熟成によって驚くほど素晴らしいワインへと変化していくと思われる。

【グランジ2003】 シラーズ97%、カベルネ・ソーヴィニョン3%。アメリカンオークの新樽で15カ月熟成。気温が高い年で干ばつもあったが健全に育ってくれた。味わいは大胆でバランスが素晴らしく、男性的な力強さが特長。既に15年熟成させているが、まだまだ熟成によって美味しくなると思われる。

〈酒類飲料日報 2018年10月26日付より〉