その人気店は、電車で行けば都営新宿線曙橋から徒歩2分、丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩3分のところにあった。夕暮れが迫る17時、暖簾が上がるやいなや、常連さんが“待ってました”とばかりに入店、すばやく「生ビールとしろたれ〇〇本」とスタッフに告げる。リズムよく名物「しろたれ」が炭火の上に載せられ、お店の周りはタレが炭火を焦がす香ばしい匂いに包まれていく・・・。

お店のイチオシは、創業以来50余年、毎日注ぎ足してきた秘伝のタレで味わう「名物 しろたれ」。いわゆる豚の「シロ」なのだが、アツアツを頬張ると、外はカリッと、中はフワッととろけるような食感に「これがシロ?」と誰もが驚く自慢の逸品だ。店内は歴史を感じさせる、まるで昭和の屋台のような空間で、世の憂さを忘れさせてくれる。

「のんきは、もともと堀切菖蒲園にあるお店で、いまもありますが、10年前、私と社長の荻野(貴匡氏)が伺ったとき、初めて食べた“しろたれ”の味に感動し、また色々なご縁も重なり、暖簾を頂いたのが始まりです」と、「もつ焼 のんき」を運営するネクストグローバルフーズの女鹿野周平取締役店舗統括本部長。そのタレを譲り受けて、継ぎ足しているのだから、美味しさは折り紙付きだ。いまでは「のんき」ブランドで直営店10店、FC(フランチャイズ)店2店を傘下としている。
もつ焼のんき 四谷店

もつ焼のんき 四谷店

そしてこの春からはメニューに「神泡」(サントリーが「ザ・プレミアム・モルツ」で展開する、“泡”に着目したプロモーション)と表記した。これにより、お客様からなにげなく「神泡って何?」という会話が始まる。スタッフも「生ビール1丁!」から「神泡一丁!」にコールが変わった。これが「神泡コール」だ。「泡にこだわった神泡です!」「泡に自信あります!」。ジョッキを置く店舗スタッフの明るく元気の良い声が店内に鳴り響く。
 
「春先から神泡をオンメニューして、店舗の売上もロケットスタート。起爆剤になったことは間違いない。そして、スタッフの意識も変わりました」(同)。「これだけ泡に自信ありと言っていて、だらしのないビールは出せない。ビールホースの毎日の洗浄などの“樽生三原則”、きれいなグラスと自然乾燥などの“こだわり2ケ条”をしっかりと守るのは当然の仕事になりました」という。

もつ焼のんき 四谷店スタッフの吉川奨乃さんと店長の山口裕司さん(右)

もつ焼のんき 四谷店スタッフの吉川奨乃さんと店長の山口裕司さん(右)

客の行動も変わった。意識的に泡の美味しさを味わいながら飲むので、ぬるくなる前にジョッキを空ける。すると当然のことだが「一杯を飲むペースが早くなった」(同)。すぐに2杯目、あるいは「ハイボール」に突き進むことになる。「これは飲食業界全体の課題ですが、なかなか客単価を上げることは難しい。ドリンクの回転率が上がることは経営的にも大きなプラスです」と“ちょっと裏話”も教えてくれた。地元の方からの要望が大きく、土日祝日は昼から営業している。遠方の方はぜひ、昼飲みからお試しあれ。
 
〈「もつ焼のんき 四谷店」店舗情報〉
・所在地=東京都新宿区舟町11小川ビル1F、TEL03-6893-8910
・営業時間=月~金17~25時、土日祝日14~24時
・客単価=3,000円前後
・席数=77席
・FCも随時、受付中
 
〈酒類飲料日報 2018年11月28日付より〉