岐阜・大垣市「さくら酒店」がコロナ禍で苦境の酒蔵を支援、日本酒を“氷温熟成”で海外に

マイナス5度の「さくら酒店」氷温倉庫
岐阜・大垣市のさくら酒店は、コロナ禍で国内での販売が激減し在庫を抱える蔵元の支援を拡大するために輸出の強化に乗り出した。

具体的な支援策としては、行き場を失った日本酒を蔵から買い取り、マイナス5℃で氷温熟成させ、付加価値をつけて海外に販売することで、日本酒蔵の企業存続を手助けする。

おもな輸出先は香港としており、その理由については「新型コロナウイルスの影響も比較的少なく、現地の輸出業者と築いてきた信頼関係と販売網があり、日本からの輸送や現地での保管も氷温での管理が可能なため」としている。

さくら酒店は今回の支援策について「新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食店の営業自粛やイベントの中止などが相次ぎ、酒蔵の倉庫には出荷できずに売れ残った日本酒が山積みになっている。昨冬に造ったお酒は時間が経つにつれて味わいが劣化し、適切な温度管理を施さないともう売り物にはならない。そんな行き場を失った日本酒を“マイナス5℃”というお酒が凍り始める一歩手前の環境下で熟成させることで、お酒本来の味わいを損ねることなく、鮮度と熟成感を兼ね備えた新感覚の味わいを生み出すことに成功した。それを国内ではなく、コロナ対策に成功した海外の国や地域に向けて販売することにした」としている。

〈酒類飲料日報2020年10月15日付〉