アサヒビール「贅沢搾り」「樽ハイ倶楽部」「ザ・レモンクラフト」に注力の方針、「贅沢搾り」はポジショニングを一新

アサヒビール「アサヒ贅沢搾り グレープフルーツ」「アサヒ贅沢搾り 桃」
アサヒビールは3月2日、オンラインで「贅沢搾りオンライン試飲会」を開催した。発表会ではアサヒビールRTDマーケティング部の高橋利和部長がアサヒビールのRTD事業の基本方針を発表したのち、「贅沢搾り」の取り組みについて同部の塚原礼恵氏が説明した。高橋部長は「3月9日にリニューアルして発売する“贅沢搾り”に加え、外飲みの気分が楽しめる“樽ハイ倶楽部”、週末のご褒美にふさわしい“ザ・レモンクラフト”の3商品に注力することで、前年比100.4%となる465億円を目指し、8年連続増収・過去最高売り上げを達成したい」と話した。

高橋部長はRTD市場について「2020年は市場全体で110.7%増と大幅に伸長した。この伸長の主な要因は、酒類のエントリー層が増加したことと他カテゴリーからの流入が増加したことが挙げられる」と市場の状況を説明。

続けて、「新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、ここ1年で市場に3つの変化があった。1つ目はコロナ禍によって家飲みが増加し、それに比例するように新規エントリー層が増加した。2つ目は外飲み連動商材の伸長。“居酒屋気分を家でも楽しみたい”という消費者の心理が結果に表れた。3つ目は、休日はのんびりと過ごす一方、平日はストレスを発散させたいという、メリハリある日常を送りたいという欲求を持った方が増加した。また、普段の生活の中で、ちょっとした幸せを大切にしたいという傾向もみられた」と消費者の動向を説明し、その上で「RTD事業では変化した環境に対応するべく、前述の3ブランドに集中的に取り組んでいく。独自の価値を持つ3つのブランドを大きく成長させることで、次の成長戦略構築の第一歩とする」とした。

〈商品のポジションを「たっぷり果実で、ほんのり酔える」に設定〉
塚原氏は「贅沢搾り」の取り組みについて以下のように説明した。

2020年は前年比121.1%で市場成長率を上回った。好調の要因としては購入率が伸長したことが挙げられ、人数に換算すると、新たに約135万人のお客様に手に取って頂けた。

好調な同商品だが、さらに喜んでもらえる商品にするべく、お客様の意識の変化を深堀りしたところ、家の中での生活を充実させたいという意識が台頭し、「家族との食事や団らんの時間を持つ」「家でゆっくりと過ごす」ということを重要視する方が増加したことが分かった。

意識の変化と、同商品が提供できる価値を深く考えた結果、商品のポジショニングをこれまでの「果実1/2個分」といったスペック訴求や、「まるかじりチューハイ」という味わい訴求から変更し、「たっぷり果実で、ほんのり酔える」という、「ちょっと贅沢な時間」を価値としたポジションに一新して訴求していくこととした。

中味のリニューアルポイントは都内9カ所の実店舗とECサイトを運営する八百屋の旬八青果店と行った勉強会を通じ、お客様が果実の「たべごろ」を気にしていることが多いと判明。そのニーズに応えるべく、いつでもたべごろの果実感を楽しめる味わいとした。

パッケージは贅沢感に加えて品質感あるデザインを採用。事前に行った調査では購入意向が現行商品に比べて1.2倍となっている。

また、前年もキャンペーン限定として用意した「パイナップル」限定商品として発売するほか、未発売の「マンゴー」8本セットが当たるキャンペーンも実施する。「マンゴー」の缶体にはメッセージを書けるスペースもあり、「おすそ分け」のような使い方もしてもらえればと考えている。

アサヒビール「アサヒ贅沢搾り マンゴー」

アサヒビール「アサヒ贅沢搾り マンゴー」

  
〈酒類飲料日報2021年3月3日付〉