缶チューハイ新商品のトレンドは「低アル・低糖」、エシカルやSDGs意識の商品も

缶チューハイ新商品のトレンドは「低アル・低糖」、エシカルやSDGs意識の商品も
酒類メーカー各社の、2021年秋発売のRTD新商品が出そろった。

※RTD=Ready To Drink、チューハイ・サワー等のふたを開けてすぐ飲める低アルコール飲料。

サントリーは糖質50%オフ・人工甘味料不使用のやさしい口当たりと、飲み飽きない軽やかな味わいが特徴の「グリーンハーフ」、宝酒造はすみきった果実感で甘くないアルコール分5%の「すみか」、サッポロビールは「ハードセルツァー」にインスピレーションを受けた「WATER SOUR」、合同酒精は「MiraiFull 無糖チューハイ」、コカ・コーラシステムは「ハードセルツァー」そのもの、米国などで人気を博す「トポチコ ハードセルツァー」をそれぞれ投入する。

いずれも「すっきりとした味わい」「低・無糖」「アルコール低め」という共通項があり、「家飲みの増加による健康志向の高まり」に加えて、「ビール類からの流入してきたユーザーの増加」または「ビール類と併せて飲むユーザーの増加」という飲用層の変化もあり、市場のニーズの増加に合わせて新ブランドを投入する形となった。

各商品の差別化ポイントを簡単に紹介すると、「グリーンハーフ」は「“健康を日常的に意識はしつつも、無理はせず自分のライフスタイルとの両立を楽しみたい”というユーザーに新しい選択肢を提案する商品」。

「すみか」は果汁を搾った後、廃棄されることが多い果皮などから独自技術により抽出した“国産フルーツエッセンス”を使用することで、甘さを抑えながらすっきり爽やかな果実感のある味わいを実現。「エシカル」な缶チューハイとしても訴求するほか、価格(500ml/税抜172円、350ml/130円)の安さも注目すべきポイントだ。

「WATER SOUR」は「ハードセルツァー」を日本人向けにアレンジし、雑味のない澄んだ味わいを実現。味わいは「炭酸水のように」を通り越して、もはやいい意味で「フレーバ付き炭酸水そのもの」だ。度数も3%で低く、シーンを選ばず飲めるので、ここ最近は筆者もお世話になる機会も多い。

「MiraiFull 無糖チューハイ」は9月28日発売の新商品で、「爽やかな果汁感を十分に楽しみながら、食中酒に最適な糖類不使用の“甘くない“チューハイ」。中味も注目だが、SDGsを意識した取り組みにも注目したい。パッケージ表面には1本あたりに含まれる純アルコール量を大きく記載し、アルコール摂取量を目につきやすくすることで節度ある適度な飲酒を呼びかけているほか、全国の“こども食堂”の運営を支援するNPO法人「全国こども食堂支援センター むすびえ」へ、当商品の売り上げ1本につき1円を寄付する。

「トポチコ ハードセルツァー」はグローバル展開のブランドを日本でも展開を開始するということで、上記の商品とはかなり毛色が異なる商品だが、海外生まれとあって輸入ビールのようにちょっとした非日常を楽しむのによいかもしれない。ただ、当面は関西地区限定での展開で、全国展開はまだ先のようだ。

〈「低アル」以外にも動き〉
共通項がある商品が多く発売された今秋だが、キリンビールとアサヒビールはこうしたベクトルとは別の方向の商品を投入する。

キリンビールはアルコール分9%の「麒麟特製サワー」シリーズから「麒麟特製辛口こだわりサワー」を発売。「プレーンだと既存の“麒麟特製ドライサワー”とカニバってしまうのでは」と思っていたのだが、一口飲んで全くの別物だということを思い知らされた。「缶チューハイ」というよりも、日本酒のようなうまみがあり「食との相性」に強く焦点を当てている。発表会では「どんな食事にも合う」と断言していたので「ならば」と思い、酒類とのペアリングが難しいとされる魚卵(たらこ、いくら、数の子)と一緒に飲んだが、これも違和感なく楽しめた。

アサヒビールは、「微・低アルコールハイボール」の「ハイボリー」を投入。アルコール分0.5%と3%で展開しており、もちろんどちらもおいしいのだが、驚くべきは0.5%の「ハイボリー」の香りと味わいの重厚さ。0.5%なのに初心者が飲んだらびっくりすること間違いなしのスモーキーさが口に含んだ瞬間鮮烈に駆け巡る。CMキャラクターの滝沢カレンさんはCM発表会で「北海道の木を思い出す」と話していたが、その通りかなりウッディさもある。その他にもアサヒビールはボトル缶RTDや「贅沢搾り」でのプレミアムラインアップの拡充などで高価格帯へのシフトを積極的に進めている。