17年の輸出量は97万tに減少も史上5番目、18年は100万t超す-MLA

MLA豪州食肉家畜生産者事業団は14日、品川プリンスホテルで「オージー・ビーフ&ラム2017年MLAプロジェクションセミナー」(東京会場)を開いた。9日に大阪、10日福岡で開催し、東京会場を含め全国3カ所で開催した。セミナーでは、2017年度産業予測及びプロモーション活動の紹介と、特別講演として牛味分析モニター調査結果が発表された。

最初にアンドリュー・コックス駐日代表(写真)が、牛肉・羊肉産業予測を説明した。それによると、2013~2015年は牛の産地であるクィーンズランド、ニューサウスウエールズ、タスマニアで干ばつとなったが、16年は平年並みの降雨に恵まれ、牛飼養環境は劇的に改善した。これにより、メス牛のと畜頭数が減少、牛群繁殖が増えていることがうかがえる。牛肉生産量は、この2年間不安定で、16年は3%減の207.5万t、17年(203.8万tに減少)を底に増加傾向に転じる。牛肉輸出は、17年は97万tで前年比5%減も、史上5番目の数字であり、18年は103万tと100万tを超すと予測している。

日本向けの輸出量は16年に7%減の26.4万tだったが、米国向けを中心に輸出が2割減少する中で、日本は豪州にとって最大の輸出市場となった。日本市場はチルドが44%、グレインは約50%を占めプレミアム品重視市場と捉えているという。一方、米国向けは16年に42%減の24.2万tにとどまった。しかし、米国向けチルドのパスチャーフェッドが伸び、バーガー向けが減少する一方で、プレミアム商品が伸びている。

またMLAのマーケティング活動では、①オージー・ビーフへの嗜好が強いこと、②赤身肉ブームなど消費者動向として有利であること、③豪州が輸出志向を持つこと、④日豪EPAにより関税率の追い風があること-の4点をオージー・ビーフの優位性として挙げた。このうち「True Aussie」の新ロゴマークは認知度が25%に達し、3,000万人が認知していることになり、「オージー・ビーフへの親近感が高いことがうかがわれる」と述べた。16年は2,000万パックのトレイにロゴマークを貼付、1万店のレストランのメニューにロゴが載せられた。これを伸ばし、さらにロイヤリティを高めていく。また赤身肉ブーム、厚切り肉のトレンド、BBQブーム、ローストビーフかたまりのトレンドなどはオージー・ビーフにぴったりのトレンドと指摘した。さらにTPP発効が難しい中で、日豪EPAにより有利な関税が適用され、17年4月からはチルドが29.9%(現状30.5%)、フローズン27.2%(27.5%)に低下する。

これらを背景に、17年の活動としては引き続きオージー・ビーフの売り場確保と販促ツールの認知拡大に努めていく。世界的に牛肉の需要は拡大するが、日本では難しく用途など様々な提案で拡大していく。焼肉フェアでは、サントリースピリッツの酒類(ビーフィーター)をパートナーに「厚切り横丁」を展開したが、今後も新しい切り口で訴求していく。プロモーションでは、夏は「レッツバービー」、冬は鉄などの栄養を訴求する「Are You ゲンキ?」プロモーションを行う。

その後、味香り戦略研究所が牛肉味覚調査結果を発表した