12月ハムソー生産5.6%増、WHOの反動でハム、ソーセージは5%台の増

2016年のハム・ソーセージ生産量は前年比1.1%増と、11~12月にWHO問題が影響した15年を上回った。ただ、ベーコン類はスライスタイプとともに、再びブロックタイプなど容量の大きなタイプが伸び3.6%増加したが、プレスハム類が減少、ハム類、ソーセージ類は微増に終わった。WHO問題の影響がなかった14年と比較すると、全体では0.4%増とクリアし、ベーコン類は5.5%増加したものの、ハム類は1.1%減、ソーセージは0.8%減と結果的にWHO前の水準には届かなかった。17年は、各社とも春に向けて新製品を発売、独自プロモーションにも力を入れ回復を目指す。

日本ハム・ソーセージ工業協同組合(日本食肉協議会委託事業)が発表した16年12月の食肉加工品生産量によると、同月のハム・ソーセージ類の生産量は前年比5.6%増の5万1,702tとなった。前年を大きく上回るが、前述のように前年12月はWHO問題を受けて各社が減産したことの反動によるもの。品目別では、ハム類が5.1%増加、ソーセージ類が5.5%増加、ベーコン類は8.1%増加と、それぞれ上回った。このうち、ロースハムは5.4%増、ウインナーは8.6%増と前年影響の大きかったアイテムで増加幅が大きくなっている。また、ベーコンは10.5%増と好調。ハムソー以外では、ハンバーグ類は6.6%増、やき豚も13.8%増と伸びている。

2016年1~12月の年間では1.1%増の53万8,841tとなった。15年の0.7%減からほぼ14年並み(0.4%増)に回復した。WHO問題の影響が徐々に薄れる中で、調理済み食品への需要、食の簡便化がさらに高まったことが要因といえる。しかし、品目別には、ハム類、ソーセージ類が14年の水準を下回る一方で、ハムソー以外のハンバーグなど惣菜関連が伸びており、WHO問題は、食肉加工品の消費動向の変化につながったと見られる。

品目別の動向をみると、ハム類は0.1%増とほぼ前年並みにとどまり、ソーセージ類は1.2%増、ベーコン類は3.6%増、プレス類は2.5%減となった。単品ではベーコンの伸びとともに、無塩漬ソーセージ(7.6%増)の伸びが目立つ。またハムソー以外では、ハンバーグ類は14.4%増と、ハム、ソーセージからの一時的な消費の移行もあって大きく伸びた。やき豚も7.9%増加した。

なお、14年と比較すると、ハム類は1.1%減、ソーセージ類も0.8%減と依然下回っている。一方でベーコンが5.5%増、プレス類が3.9%増加し、全体では0.4%増となった。ちなみにハンバーグ類は14年比で23.4%増と2割以上の伸びとなった。