4月の牛肉需給展望 4月入りで相場は季節的に上昇、和去A5で2,900円前後か

3月の相場は、不需要期とともにより安価な国産牛肉を求める傾向から、和牛去勢はA5、A3で下げる一方で、和牛からの移行で交雑種が上昇した。

前年比でみると、和去はA5はブランド牛への引き合い支えられ前年比28円安にとどまっているが、16年5月時点では427円上回る状況であり、ここに来てやっと目に見えて前年を下回る状況となった(図参照)。A4以下はすでに前年を下回って推移し、今回もA4で149円下回るなど、各等級で100円以上下げており、引き続き高値是正の動きがうかがえる。特にA3は、一時、2,500円台と前年のA5の価格を超えていたが、2,100円台まで下げた。この相場水準は15年8月以来のことになる。一方で、交雑種は、和牛からの移行により前月を上回った。

4月は、花見、入学式などのイベントと共に、大型連休に向けて需要が拡大し、相場も上昇する。その中で、出荷頭数は和牛で0.6%増、交雑で8.3%増が見込まれる。輸入牛肉については、米国産でチャックアイを中心にある程度潤沢に供給される見通しだが、極端に余剰するほどではなく、他の部位はコストが高めと考えられる。豪州産もサイクロンの上陸で4月末入荷に懸念があり、余剰感が出ることは考えづらい。これらを勘案すれば、4月の枝肉相場は、和牛去勢で100円前後、交雑去勢も安価な国産牛肉を求める量販店の動きもあって100円前後の上昇が見込まれる。ただ、このところ交雑の価格は安定せず、これを上回る上昇も想定される。